「ダイアナ:ザ・ミュージカル」(原題:Diana: The Musical, 2021、Netflix)を見た。2013年公開の伝記映画「ダイアナ」とは別物。輝かしいプリンセス・ストーリーの裏側でのダイアナ妃の葛藤と活躍を描いたブロードウェイ・ミュージカル。
映画は、ブロードウエイ・ミュージカルの初演前に映画用に撮影された。故ダイアナ妃の伝記に基づいたストーリー。ダイアナ妃の人間的魅力を知ることができると同時に、英国王室のドロドロも描かれる。
チャールズ皇太子は、年上のカミラ夫人と不倫関係を持ち続けながら、体裁のために純情で若干19歳のダイアナと結婚。ダイアナは国民に愛され息子たちにも恵まれたがチャールズの心だけは手に入れられなかった。
チャールズは後にカミラと結婚。ダイアナは、別居・離婚により、王室の公務と国民への奉仕の義務から解放され、精力的な慈善事業家になっていく。
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ミュージカル「ダイアナ」では、現代において最も人々に愛された女性の一人の物語が描かれている。見ず知らずの王子と婚約した19歳のダイアナ・スペンサーは、世界を舞台に活躍し、一夜にして世界で最も有名な女性になった。
厳格な王室制度の中で、自らの道を切り開こうと奮闘したダイアナ妃は、愛のない結婚生活に追い込まれ、やがて困っている人たちのために献身することで自分自身の声を見つけ出していく。
世界がかつて経験したことのないようなメディアからのスポットライトに耐えることを余儀なくされた彼女は、すべての予想を覆して、ひとりの女性として立ち上がり、不朽のレガシーを築いた。
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ダイアナ妃演じる主演のイェンナ・デ・ヴァールがすばらしい。エリザベス女王役のジュディ・ケイも、堂々としていて「クイーン」でエリザベス女王を演じたヘレン・ミレンとは違った存在感を見せている。
チャールズ皇太子が一番煮え切らないクズ男。ダイアナと結婚したあとも、カミラ夫人と逢瀬を重ねるが、さすがにエリザベス女王もこれについては苦々しく思っていたようだ。
「安っぽいメロドラマなら『コロネーション・ストリート』で十分」と苦言を呈している。このドラマは1960年から放送が始まったドラマで、2020年に60周年を迎えている人気ドラマ。
新聞でチャールズ皇太子についてのゴシップ記事が大きく掲載されるが、女王がチャールズに「どこまでが本当なの?」と聞くと、チャールズは「ほとんど事実」と答えるありさま(反論できないのか。笑)。
映画の中にもあったが、チャールズはテレビ出演して不倫(浮気)を告白までしているのだ。
エリザベス女王は「ウィンザー一族は、浮気者だらけだ」と憤慨するのだが・・・。
一方、チャールズ皇太子の不倫に対して、ダイアナも1994年10月に、5年に渡るダイアナの不倫相手だった元騎兵連隊将校ジェームズ・ヒューイットがダイアナと自分の不倫についての暴露本「恋するプリンセス(Princess in Love)」を出版。そんなこんなで、王室関連のスキャンダルで、タブロイド紙は大儲けをしたというおまけまで描かれている。
エリザベス女王は、ダイアナを嫌っていたわけではなく、エリザベス女王も若き日の結婚では同じような体験をしていることをダイアナに語っている。ミュージカル形式で、ダイアナの36年の短い生涯をコンパクトにまとめている。
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