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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「恋と太陽とギャング」(1962)を見る。高倉健、丹波哲郎。

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恋と太陽とギャング」(1962)を見る。前作「花と嵐とギャング」の姉妹篇。石井輝男が監督したB級ギャング・アクションもの。この当時は、ギャングものが多く作られていた。映画は「ニュー東映」のロゴ。ポスターはカラーだが映画はモノクロ

主演は高倉健丹波哲郎高倉健(30)がややどもりの網走帰りの若造を演じ、丹波哲郎(39歳)は犯罪を持ちかける役。丹波哲郎は映画の中でオープン・スポーツカーを運転するが「ルパン三世」を彷彿とさせる。千葉真一はヘリを操縦する役だが、見せ場がない。

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高級ホテルを舞台に裏カジノが行われ、その金を奪おうとするギャングたちの話。犯罪のための人集めや銃撃戦があるほか、ラストでヘリコプターから千葉真一が紙幣をばらまくシーンは、なにやら「地下室のメロディー」風。

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網走帰りの石浜伸夫(高倉健)は、賭場荒しの常習者である女房・典子(小宮光江)と3年ぶりに再会。典子とその母・お真佐(清川虹子)の三人にはある計画があった。

マカオの賭博組織の大幹部ロバートが、日本に国際賭博マーケットを造るテストとして、ある有名ホテルの秘密クラブで大規模な賭博を開く。この金を盗もうという計画だ。

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だが、この計画を狙うもう一人の男がいた。常田(丹波哲郎)という一匹狼だ。常田はすでにその秘密クラブに情婦で踊り子のローザ・ルミ(三原葉子)とその弟・光男(山下敬二郎)を潜入させていた。

お真佐らは、常田と手を組んで、分け前は五分五分で手を打つことにした。常田が資金源を調達、実行はお真佐一党と決まった。逃走用ヘリを操縦できる山内(千葉真一)も仲間に加わった。山内には、盲目の妹・留美子(本間千代子)がいた。

常田は、ルミを使って、パトロン的存在の中国人・黄から資金借出しに成功するが、女一人の借金にしては金額が大きいと、その金の流れを手下に調べさせると、ギャング強盗団が背後にいることを知る。黄らは、強盗団が強奪した金を横取りしようと計画するのだった。

こうして、札束の奪い合いを巡って、仲間の裏切り、黄らの参入などで乱射戦が繰り広げられる。とくに孤島での窓ガラスを割ってのライフルを使った銃撃戦は、まるで西部劇さながら。トランクのカネは山内に渡される。銃撃戦の中をかいくぐって、現金の入ったカバンを持ってヘリに乗った山内と留美子。

地上で銃撃戦が繰り広げられる中、山内は、目の見えない留美子に、カバンのなかの紙きれ(数千万円の札束)を、投げ出すように言うと、留美子の無心な手によって美しく札が空中に散っていった。

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エンディングは、そうなるのかという印象だが、絵にはなっている。本間千代子は子役としての映画デビュー作だった。江原真二郎の不敵な独特の笑い、由利徹のコメディアンぶりなども印象的。

犯罪のために集められた仲間に前金(手付金)を渡すシーンがあるが、相互に信頼できないということから、丹波が、札束を半分に実際に手で引き裂いてしまうというのにはどう見ても、そこまでやるかという無理があるような(笑)。

丹波哲郎は、その後、映画「007は二度死ぬ」(1967)や、テレビ「キイハンター」(1968年~1973年)「Gメン'75」(1975年~1982年)の刑事のまとめ役で「ボス」的存在。若いころはクールで二枚目という印象だが、晩年は態度が大きいというイメージの役者として数十年にわたって活躍した。

 ■「恋と太陽とギャング」は、先日見た「ギャング対Gメン」同様、ギドラさんのコレクションからいただいたDVDで視聴。