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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「三百六十五夜」(1948、総集編)市川崑監督。

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三百六十五夜」(1948)をみる。市川崑監督。原作は小島政二郎の「ロマンス」連載小説の映画化。出演は上原謙、山根寿子、高峰秀子、堀雄二、野上千鶴子など。

デジタルリマスターでなく、オリジナルフイルムの配信(Netflix)のため、昔の二番館で見たような画面が荒く雨が降っているような画像(実際に雨のシーンもあったが)。

一部で役者の演技と音声のずれもあり、無声映画を見ているような印象。劇中登場する歌は当時ヒットしたという。

高峰秀子はこの撮影時は24歳で、関西弁で蓮っ葉なヤンキー的な役柄。1962年に美空ひばり高倉健主演で同名タイトルでリメイクされているほか、テレビドラマ化されている。

戦後3年ほど経った時代の映画だが、ダンスシーンや、帝劇なども登場する。

 (主なストーリー)建設会社・川北組の跡継ぎ小六(上原謙)は、小牧商事の令嬢・蘭子(高峰秀子)との政略結婚を迫られていた。東京へ逃げた小六は、身を隠すためにある邸宅に間借りし、その家の娘・照子(山根寿子)と運命的な出会いをする。

小六を愛した照子は、破産寸前にある川北組を救うため、邸宅を抵当にして津川(堀雄二)に融資を頼んでしまう。その津川が、小六に対して一方的な恨みを抱いていることを知る由もなかった。暗躍する津川と小六を慕う蘭子の計略の渦に、ふたりの人生は翻弄されていく。

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川北小六(上原謙)は新聞広告からある邸の離れに同居するようになった。その家は母一人・娘一人の静かな生活だったが、小六はその令嬢・照子(山根寿子)と相愛の仲になった。

小六は大阪の川北組のせがれで、父親の佐吉は同じ大阪で指折りの新興成金・小牧雄造(久保春二)と、政治的の話合いで、小六に想いをよせうるさくつきまとう娘・蘭子(高峰秀子)のために、小六と結婚させる親同志の約束ができていた。

小六はその縁談をきらって東京に逃げてきたのだったが、父・佐吉は、破産一歩手前にある川北組のためにも、結婚を承知してくれと頼むのだった。

今百五十万円の金を必要とする川北組のために照子は邸を抵当に、独断で運悪く小六を蘭子の恋敵とねたむ小牧商事の支配人・津川(堀雄二)に頼んだため、怪しげな契約書を交わしたが、小六に見破られた。

小六は小切手を返そうと家にとって返した時は、いまではならず者になっている照子の実父・東吉(河村黎吉)に盗み去られていた。

それが巡り巡って東吉の手からまた元の津川の手に無条件で握られてしまったのだ。その小切手故に照子親娘は落ちぶれていった。

津川の魔手はその病に伏した母を抱え、就職にあせる照子へと延ばされていた。しかも恋に狂った蘭子の中傷で、小六は照子の純潔を疑いある雨の夜大阪に旅立ってしまった。病気の母を女中に託し、照子は単身小六の誤解をとくために、後を追った。

しかしすでに川北組は破産し、街で偶然出会った蘭子の元で小六が静養しているときき、案内されるまま小六に再会することは出来たが照子は、誤解をはらすどころか、すでに二人の心の遠いへだたりを感ずるのだった。

東京にもどった照子に好色の津川は、しつような魔の手をゆるめなかった。

美術展で照子がモデルになった絵が入選したが、津川の迫害はそこまでも延び、各新聞はゴシップとして書きたてた。

留置所で再会した小六と照子はその足で臨終の母のもとにいったが、何も知らぬ母は息のある内にと無理じいに二人に杯事をさせるのだ。小六に既に結婚の意志のないことを知る照子にとっては、苦しい真似ごとだった。母も死んだ。絶望のどん底で照子には進むべき道は、死以外になかった。

蘭子に小六をゆずって、恨み重なる津川にナイフをしのばせ迫っていった。

感ずいた小六が中にわって入り大乱闘になった。そのすきに照子より先に津川に踊りかかったのは父の東吉だった。バッサリと倒れる津川、東吉は「娘を頼みます」と心のこりの一言を小六に警官にひかれていった。小六と照子の心は、その東吉の言葉に再び結ばれることができたのだ。

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照子をモデルにした絵が人気を博し、それに嫉妬した蘭子が壁にかけてある額縁の絵をナイフで切り刻むシーンはすさまじい。画廊の担当者が咎めると、蘭子は、札束を投げるのだった。

 

主な登場人物:

川北小六:上原謙

大江照子:山根寿子

小牧蘭子:高峰秀子

津川厚:堀雄二

乾マユミ:野上千鶴子

宮田龍之助:大日方伝

大江しづ:吉川満子

坂元東吉:河村黎吉

小牧雄造:久保春二

副支配人:鳥羽陽之助

女中さき:一の宮あつ子

兄・梅太郎:清川荘司

おでん屋お神:清川玉枝