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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「時の面影」(原題:The Dig, 2021)を見る(Netflix オリジナル映画)。

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時の面影」(原題:The Dig, 2021)を見る(Netflix オリジナル映画)。原題は「掘る」の意。第二次世界大戦の前夜、歴史に埋もれていた考古学者の存在が、かなり後になって明らかになるという実話がベース。

主演は「グランド・ブダペスト・ホテル」「007スペクター」などのレイフ・ファインズと「ドライヴ」「華麗なるギャツビー」などのキャリー・マリガン

共演は「ベビー・ドライバー」「レベッカ」のリリー・ジェームズ、「ブルックリンの恋人たち」のジョニー・フリンなど。

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第二次世界大戦が迫る1939年のイギリス。裕福な地主である未亡人のエディス・プリティ(キャリー・マリガン)は、所有する土地にある墳丘墓(ふんきゅうぼ)を発掘するべく、アマチュアの考古学者であるバジル・ブラウン(レイフ・ファインズ)を雇う。博物館は戦争の直前で新たな事業に乗り出さないと考えたからだった。

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ブラウンは老齢だったが、知識は一流だった。やがて、その発掘現場である塚(墳丘)に隠された歴史の遺産が姿を現し、いにしえの記憶が蘇る。平穏だったその土地はマスコミなどの注目を集める。しかし、戦争の闇がその発見を覆い尽くし…。 

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キャリー・マリガンが「ドライヴ」「華麗なるギャツビー」のようなキュートなイメージから一転して、病を抱えた未亡人役で、やつれ果てまさに病み上がりの別人のような表情を見せている。

歴史的な大発見が、発見者の名前が知られずに時が過ぎ、かなりの時を経て明らかになるという実話。映画では、考古学上の発見物は、発見された土地の所有者のものになるか、国のものになるかの審問が行われていた。

ある”世紀の発見”がなされたのは、まさに第二次世界大戦が始まろうとしていた時期だった。ドイツ陸軍ポーランド侵攻と、それを受けて行われたイギリスおよびフランス宣戦布告により第二次世界大戦は開始された。

発見物が戦争により被害をこうむることを避けるため、掘り起こした墳丘墓に樹木をかぶせて、再びその上に土を盛って、敵軍(ドイツ軍)に見つからないようにするなどの作業を行っていたことも驚きだ。戦時下で報われそうにないラブストーリーも同時に描かれる。

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静かに進行するストーリーで派手さはないが、最後のほうにはじわりじわりと迫ってくるものもある。小品ながら佳作の1本だった。