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映画「これからの人生」(原題:The Life Ahead、イタリア、2020)を見る。Netflixオリジナル。

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これからの人生」(原題:The Life Ahead、イタリア、2020)を見る。Netflixオリジナル映画。主演はソフィア・ローレンで、映画「NINE」(2009)テレビ映画「ソフィア・ローレン 母の愛」(2010)以来10年ぶりの映画出演。監督は、ローレンの息子、エドアルド・ポンティ。

原作は「エミール・アジャール」のペンネームで書いたフランスの作家ロマン・ガリーの小説「The Life Before Us(私たちの前の人生)」。もともとは英語で「Momo」として出版され、1986年に「The Life Before Us」として再出版された。Momo(モモ)というのはイスラム教徒の孤児の名前。

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80代後半のユダヤ人老女が子守をして暮らしているが、そのなかに黒人のモモという少年がいて、反発し合う2人だったが、共に暮らすうちに少しずつ心を開いてゆく。

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冒頭、モモが「平等なんていうのはない。白紙に戻って、スタートしたい」という言葉が印象に残る。イスラム教徒で黒人として生まれただけで、マイノリティとしてハンディがあることを示す。

自宅で子守をしているマダム・ローザ(ソフィア・ローレン)もしかり。ローザは、モモに花のミモザの話をするが、そのミモザが咲いていたのは、アウシュビッツの近くの小屋に12歳の時に住んでいた場所だと語るのだ。ユダヤ人が大量虐殺された中で、生き延びてきたことがわかる。

映画の最後にかかる音楽と歌詞がすばらしい。

「あなたのことを誰も信じなくても 私は信じる。誰もいなくても、私がここにいる」

 

同名タイトルのフランス映画があるが別物。

ソフィア・ローレンは、1951年に「クオ・ヴァディス」の端役でデビュー。女優歴は来年で70年を迎える。「ひまわり」(1970)当時は、36歳で老けメイクだったが「これからの人生」では、年輪を刻んで、なりきりの老女を演じている。

「昨日今日明日」の時のような明るいバイタリティのある役からは程遠い、暗い役柄だが、見ごたえがあった。現在86歳(1934年9月20日生まれ)。あと数年は、映画出演してほしい大女優だ。

 

原題:The Life Ahead

上映時間:93分

監督:エドアルド・ポンティ

配給:ネットフリックス

 

予告編:

www.youtube.com