ハリウッド黄金期に活躍した最後のスター俳優の1人、オリヴィア・デ・ハヴィランドが7月26日、パリの自宅で亡くなった。104歳だった。
1939年の「風と共に去りぬ」で主人公スカーレット(ヴィヴィアン・リー)と対照的な女性として描かれるメラニー役を演じたほか、50年以上のキャリアで50作近くの映画に出演。
「風と共に去りぬ」
ハリウッドで映画会社が専属俳優に対して絶大な権力を振るっていた時代に、権利保護を裁判所に訴え勝訴したことで、他の俳優たちの待遇改善にも貢献した。
「風と共に去りぬ」のメラニー役の演技でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたほか、1947年には「To Each His Own(遥かなる我が子)」、1950年には「The Heiress(女相続人)」で、2度のアカデミー賞主演女優賞を獲得。亡くなるまで、最年長のアカデミー賞受賞者だった。
「女相続人」
デ・ハヴィランドは1960年以来パリ在住で、広報担当によるとパリの自宅で亡くなった。死因は老衰という。
1916年にイギリス人の両親のもと、東京で生まれた。両親の別居に伴い、元女優の母や、後に女優ジョーン・フォンテインとなる妹と共に、米カリフォルニア州に移住した。
妹のジョーン・フォンテインも「断崖」(1941)でアカデミー主演女優賞を受賞しており、2013年現在時点でアカデミー主演賞を獲得した唯一の兄弟姉妹となっている。
アカデミー賞のほかにデ・ハヴィランドは「蛇の穴」(1948)でナショナル・ボード・オブ・レビュー主演女優賞、ニューヨーク映画批評家協会賞主演女優賞などを受賞。
映画ではエロール・フリンの相手役を演じることが多く「ロビンフッドの冒険」(1938)「無法者の群(Dodge Ciry)」(1939)「カンサス騎兵隊」(1940)「葬列第七騎兵隊」(1941)など、8作品で共演している。
1960年には、それまでの映画界への貢献が讃えられてハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにプレートが設置された。2008年には当時のアメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュから、芸術分野の顕彰としてはアメリカ最高位の国家芸術メダルが贈られている。2017年6月、大英帝国勲章(DBE)を受章。
100歳を超えての、まさに天寿を全うといえる。ご冥福をお祈りいたします。