フランスのジョルジュ・フランジュ監督のカルト的な名画とされる「顔のない眼」(原題:仏: Les Yeux sans visage、英: Eyes Without a Face、フランス・イタリア合作、1959)。これはフランジュの唯一の恐怖映画であり、今なお多くの映像作家に影響を与えて続けている傑作である。怪奇的で幻想的な映画だ。フランジュ監督の商業映画で日本で公開されている唯一の作品。
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メスが女の顔を剥ぐ。これは交通事故で顔面を損傷し、美貌を失った娘の顔を元に戻すため、狂気の外科手術に走る医師の物語だ。
公開当時、その生々しい手術シーンで、フランジュは恐怖映画のショック基準を一気に引き上げたといわれる。公開から半世紀以上が経ったが、冷静な知性と身の毛もよだつリリシズムは、今も他の追随を許さない。
出演は、高名な皮膚移植医師ジェネシェに「リラの門」「まぼろしの市街戦」のピエール・ブラッスール、彼に尽くす助手ルイーズに「第三の男」「夏の嵐」の名花アリダ・ヴァリ、そして博士の娘クリスチアヌにフランジュ作品の常連女優エディット・スコブ。脚本に「悪魔のような女」「めまい」の原作者で知られる、ピエール・ボワローとトーマス・ナルスジャックが参加。
音楽は、のちに「アラビアのロレンス」「シベールの日曜日」などで有名になるモーリス・ジャールだ。モーリス・ジャールの音楽が恐怖感を盛り上げている。
今回、この作品を知ったのは、ギドラさんのブログのクイズの一つでモーリス・ジャールに関連した音楽クイズ(出題者:徳さん)の4拓のうちの1作品だったからだ。モーリス・ジャールといえば「アラビアのロレンス」「レッド・サン」などがあるが、意外と知られざる映画で佳作を残している。全編を見てみたい。
ブルーレイ(BD)が2012年に発売されているらしい。ギドラさん、買って!(笑)。