シェイクスピアの四大悲劇の一つ「ハムレット」(1948)を見た。アカデミー賞作品賞、主演男優賞(ローレンス・オリビエ)、美術賞、衣装デザイン賞を受賞。ほかに監督賞、助演女優賞(ジーン・シモンズ)、作曲賞にノミネートされた。ローレンス・オリビエが製作・監督・脚色・主演。
・・・
デンマーク、エルシノア。当時の国王が蛇に噛まれて急死。その後を弟のクローディアス(ベイジル・シドニー)が継ぐことになった。クローディアスは前国王の弟で王妃ガートルード(アイリーン・ハーリー)と再婚。
新国王となったクローディアスは、前国王とガートルートとの子である王子ハムレット(ローレンス・オリヴィエ)にこれからは自分を父だと思って忠誠を誓うよう求めた。
しかし、ハムレットの心は未だに深く沈んだまま。なぜ母が父の死からわずか1ヶ月で再婚したのか疑問に思っていたのだ。ハムレットは侍従長ポローニアス(フェリックス・エイルマー)の娘オフィーリア(ジーン・シモンズ)に想いを寄せていたが、ポローニアスは身分が違うとして二人の交際に反対。
その頃、ハムレットの親友ホレイショー(ノーマン・ウーランド)は前国王の亡霊(声:ジョン・ギールグッド)が城壁に現れるという噂を聞き付け、部下たちと共に亡霊の存在を確認、そのことをハムレットに報告した。
ハムレットはホレイショーと共に亡霊に会いにいき、その亡霊が紛れもなく父王であることを確信した。亡霊はハムレットを誘って二人きりになり、自分が弟クローディアスに毒殺されたことを明かし、ガートルードに決して危害を加えるなと告げて姿を消した。ハムレットはクローディアスへの復讐を誓うのだった。
・・・
ウイリアム・シェークスピアの戯曲38編のうち「ハムレット」「オセロー」「マクベス」「リア王」は四大悲劇という。
ところで、黒澤明監督はシェイクスピア作品を翻案した作品をいくつか残している。「マクベス」を基に「蜘蛛巣城」(1957)を撮り、「リア王」(1985)を下敷きに「乱」を作っている。「悪い奴ほどよく眠る」(1960)は「ハムレット」をモチーフにしていると言われる。
「ハムレット」を見るきっかけとなったのは、今春YouTuberデビューしたオリエンタルラジオの中田敦彦のYouTube大学による「シェイクスピアの四大悲劇」を見て。「マクベス」からスタートしているがいずれ「ハムレット」も扱うだろうということを見越して映画を見た。中田のYouTubeは、わずか5ヶ月で122万人の登録を突破、大成功を収めている。これまでに「Amazon」「ソフトバンク」「Facebook」「Google」「アリババ」などのIT企業の他、西洋史、日本史、中国史、アジアの歴史など多岐にわたるテーマで、かなり深堀している。毎日夜9時に更新、毎日見るのが日課。身振り手振りで、立体的に解説しているのが面白い。
こちら:https://www.youtube.com/channel/UCFo4kqllbcQ4nV83WCyraiw
それはともかく「ハムレット」はモノクロで135分、古城を舞台にデンマークの王が毒殺されたことから息子ハムレットが復讐する話。ハムレットの母の再婚相手となったのは王の弟で、その弟が父を殺したと、殺された父の亡霊が現れてハムレットに告げるという展開。復讐のために、狂人になったふりをして相手を油断させて、復讐を遂げるのだが・・・。
主な出演者:
先代王ハムレットと王妃ガートルードとの息子で王子。金髪の美しい青年で非情に賢い。父王の亡霊から叔父の罪を聞かされ、狂人のふりをして復讐しようとする。
■オフィーリア(ジーン・シモンズ)
王の侍従長の娘。ハムレットへ恋心を抱いている。美しい歌声を持ち、清楚で純粋。美しくたおやかの女性であったが、心を病み小川へ身を投じる。
■ガートルード(アイリーン・ハーリー)
ハムレットの母親。先代王ハムレットの妻で王妃であったが、クローディアスが即位すると共に再婚する。
■クローディアス(ベイジル・シドニー)
王の弟で現デンマーク国王。ハムレットの叔父で母親の再婚相手。王座とガートルードを手に入れるため、兄王を毒殺する。
■ホレーショ(ノーマン・ウーランド)
ハムレットの親友であり、忠実な臣下。全ての自称をハムレットの傍で見守り、悲劇を語り継ぐ役を負う。