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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

★見逃している映画シリーズ①「戦争のはらわた」(サム・ペキンパー監督)。

 
アメリカ在住の映画評論家・町山智浩TBSラジオ「たまむすび」は時々聞いているが、自身の人生の映画ベスト3に常に入る作品として「戦争のはらわた」を挙げている。劇場で朝から4回続けてみて、翌日も繰り返して4回見たというからすごい。
 
戦争映画「戦争のはらわた」(原題:Cross of Iron、1977)は、「ワイルドバンチ」などのサム・ペキンパー監督の最高傑作と言われながら未見。昨年(2017年)40周年を記念して、デジタルリマスター版が劇場公開されたが、今考えると公開されていたのに見ずに後悔(先に立たず)。
 
そんなこんなで、有名作品でありながら、未見映画で、これから機会を見つけて見たいと思っている映画を、何本か紹介したい。
 
 
戦争のはらわた」は、1977年制作のイギリスドイツ(当時は西ドイツ)合作の戦争映画上映時間133分。原題の「Cross of Iron」は、ドイツ軍の鉄十字勲章のこと。
 
ペキンパー作品の特徴であるバイオレンス描写とスローモーション撮影は、大きな衝撃を与えた。日本公開時のキャッチコピーは「戦争は最高のバイオレンスだ」。
 
この映画がユニークなところは、視点がドイツ軍側になっていること。
それまでの戦争映画といえば、連合軍側による視点が中心の戦争映画であったことを考えると、と一線を画する映画と言える。世界支配をもくろんだナチスによる戦争の非生産的なばかばかしさを描き、ドイツでも大ヒットとなった。
 
■「戦争のはらわた」概要:
ベトナム戦争終結から2年が過ぎた1977年。
“戦争映画”というジャンルに殴り込みをかけ、戦場描写を一新した革命的作品が映画史に激震を巻き起こした。西部劇「ワイルドバンチ」(1969)、犯罪劇「ゲッタウェイ」(1972)等アメリカ映画王道のジャンルで歴史的傑作をものにした孤高の巨匠サム・ペキンパー(1925~1984)が、アメリカ人監督、アメリカ人スターを起用し、敗者ドイツ軍の物語を描くという当時ハリウッドでは実現不可能な大胆不敵さでつくりあげた「戦争のはらわた」。2017年、戦争映画の金字塔が、公開40周年を迎えデジタルリマスター版でスクリーンに堂々の帰還を果たした。
 
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舞台は、第二次世界大戦下の独ソ戦。1941年から44年にかけてドイツ軍とソ連軍が壮絶な死闘を繰り広げ、ドイツ軍200万以上、ソ連軍1200万以上の死者が出たといわれる狂気の戦場。
 
敵の猛攻にあい絶望的な状況に追い込まれたドイツ小隊の運命がドラマチックに描かれ、観る者は戦場の真っ只中に。16週間に渡る過酷な撮影には150人以上のスタッフが各国から集められ、戦闘シーンではさらにアメリカの撮影隊200人、エキストラ兵士600人が参加。
 
ドイツ軍歩兵連隊についての膨大な資料をもとに戦場のリアリズムを徹底追及。
監督の十八番、スローモーションを多用し、血と汗と埃にまみれ、生への欲望が具現化した兵士たちのキャラクター造型の異様な緊張感は、今観ても斬新。
 
出演俳優も今から思うと豪華俳優が多数出演している。
ジェームズ・コバーン(「大脱走」)・・・野武士のようなギラついた殺気を発散させるスタイナー隊長(伍長)
ジェームズ・メイソン(「北北西に進路を取れ」「ロリータ」)・・・中間管理職的な疲労が滲み出るブラント大佐
マクシミリアン・シェル(「ニュールンベルグ裁判」)・・・小心者で見栄っ張りの上官・シュトランスキー大尉

センタ・バーガー(「さらばベルリンの灯」「火曜日ならベルギーよ」)・・・従軍看護婦エヴァ
デヴィッド・ワーナー(「わらの犬」「オーメン」)・・キーゼル大尉。
 
 
一味違うリアルなアクションに満ちた本物の戦場映画。終わりの見えない戦いに疲弊しきった兵士たちの生々しい心情描写は、以後登場した「プラトーン」(1986)、「プライベート・ライアン」(1998)、「硫黄島からの手紙」(2006)といった作品群にも大きな影響を与えたという。
 
クエンティン・タランティーノ北野武ジョン・ウーらがリスペクトするサム・ペキンパー監督。ペキンパーは、死にゆく男たちの孤影を終生追い求めた映像作家といえるかもしれない。
■プロデューサー:ウォルフ・C・ハルトヴィッヒ 
■脚本:ジュリアス・J・エプスティン/ウォルター・ケリー/ジェームズ・ハミルトン
■撮影:ジョン・コキロン 
■音楽:アーネスト・ゴールド
■出演:ジェームズ・コバーン、マクシミリアン・シェル、ジェームズ・メイソン、デヴィッド・ワーナー、センタ・バーガーほか
■収録時間: 133分


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