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<span itemprop="headline">映画「永い言い訳」(2016) 西川美和監督最新作。</span>














永い言い訳」(2016)を見た。
原作脚本・監督西川美和。原作は直木賞候補作になった。
 
出演陣を見ると豪華だが深津絵里堀内敬子黒木華などは2時間の映画で、最初の10分ほど登場していなくなってしまう。もったいない(笑)。

この映画は、ややぼーっとして生き方が定まらない小説家と、教養に欠け子供からの尊敬はみじんもない父親のダメ男ふたりと小さい子供二人が中心のドラマで、子供というのは大人が思っている以上にしっかりしていて、それを理解していない大人とのギャップがよく描かれている。
 
・・・
作家の衣笠幸夫本木雅弘は、妻の夏子深津絵里が友人大宮ゆき堀内敬子とともに旅行に出かけるのを見送ったその日に、彼女が事故死したことを知らされる。もっとも、のいない間に愛人の福永(黒木華)と不倫行為に没入していた幸夫にとっては、さして悲しい出来事ではないのが実情だった。


 
それでもマスコミの手前悲劇のキャラクターを演じていた幸夫のもとに、夏子の友人大宮ゆきの夫、大宮陽一竹原ピストルが電話をかけてくる。
 
トラック運転手である陽一はふたりの子供を抱え、妻を失った事実に打ちひしがれて同じ境遇の幸夫と思いを分かち合おうとしたのだ。

執筆に情熱を注ぎ込めない幸夫は陽一のアパートを訪ね、中学受験を控えた長男真平藤田健と、その妹である保育園通いの灯(あかり、白鳥玉季のことを知る。家事の素人である陽一は母親役を兼ねられない、と見てとった幸夫は子供たちの世話を買って出た。
 
器用に対応をこなし、子供たちの信頼を得てゆく幸夫。家事に没頭するなか、幸夫はこれまでにない暮らしの充実感を味わっていた。
 
だがある日、妻の遺したメッセージから彼女が幸夫をもう愛していなかった、と幸夫は知り、絶望感に襲われるのだった・・・(Wikiを一部引用)
 
・・・
衣笠幸夫という本名は、鉄人といわれた元野球選手と同姓同名で、何かと引き合いに出されるのを嫌ったのか、ペンネーム「津村啓」を対外的には使い、作家としてデビューして以来、本名をごく親しい仕事相手にすら明かしたことはなかった
 
幸夫が友人の子供に言うセリフがある。「自分を大事に思ってくれる人を、簡単に手放しちゃいけない。みくびったり、おとしめたりしちゃいけない。そうしないと、ぼくみたいになる。ぼくみたいに、愛していいひとが、誰もない人生になる。
 
幸夫は、結婚して20年、妻が家で髪を切ってくれていた。床屋に行ったことはない。友人が、妻の死に涙しているのに、自分自身は涙が出ず、悲しみがわいてこなかった。友人の息子も母親が亡くなったときに棺のそばで涙が出なかった。その息子に対して父親は「悲しくないのか」と語ったという。
 

「悲しくないわけがないじゃん」と幸夫にいう。
涙を流すことだけが悲しみではないのだ。 最近の子役は演技がしっかりしていてうまい。藤田健という子役は、母親を亡くした思春期の子供の役だが、福くんもかすみそうだ(笑)。父親がだらしないのをしっかり見ていて反面教師にしているようで「いい父親ぶって、いやだ。お父さんみたいにはなりたくない」ときっぱり言うところもすごい。

好奇心旺盛といった幼い娘を演じる白鳥玉季という子役も、大人がたじたじするほど質問攻めにするシーンは圧巻。この二人の子役はブレイク間違いなしといわれているようだ。


竹原ピストル
は深夜ドラマ「バイプレイヤーズ」で、毎回最後に座ってテーマ曲を歌っていたので歌手として知っていたが、映画では「私の男」(2014)くらいしか見ていなかった。「永い言い訳」では、朴訥とした父親役を存在感たっぷりに演じていた。

西川美和監督の作品は、「ディア・ドクター」にしても「夢売るふたり」(西川作品では個人的ベストワン作品)にしても、どこか人間関係がシリアスに見えて滑稽さが漂っている印象を受ける。
 

監督作品:
蛇イチゴ(2002年) - 監督・脚本  ☆☆☆
「female「女神のかかと」(」2005年) - 監督・脚本
「ゆれる」(2006年) - 監督・脚本・原案  ☆☆☆
ユメ十夜「第九話」」(2007年) - 監督・脚本
「ディア・ドクター」(2009年) - 監督・脚本・原作 ☆☆☆
夢売るふたり(2012年) - 監督・脚本・原案 ☆☆☆☆
永い言い訳(2016年) - 監督・脚本・原作 ☆☆☆


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