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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「あぜ道のダンディ」(2011)</span>


 
映画「あぜ道のダンディ」(2011)は、「川の底からこんにちは」(2010)が面白く、その石井裕也監督の「川の底」に続く作品。
 
父親というのは、子供たちにかっこいいと思われたいのだろう。子供二人と猫1匹と暮らす中年男・宮田淳一を演じた光石研の演技が光る。
 
宮田は、妻に先立たれてから落ち込む日々を送っているが「俺ねェ、地位も金もねえからダンディでいたいんだよ」と、自分の愚痴を聞いてくれる唯一の中学時代からの親友・真田(田口トモロヲ)とつるんでは酒を飲んで憂さ晴らしをしている。
 
この二人の腐れ縁の親友のおかしさと哀れさ、家族の関係などをユーモアとペーソスで描いている。
 
 
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宮田は、関東北部の都市(前橋市)の運輸会社で働くしがないサラリーマン。
 
長男が1浪して大学に受かり、娘も高3で、女子大に合格。
二人の子供たちは、東京に下宿することになるが「安月給の父親」に負担をかけるのは忍びないと思っている。アルバイトでもして何とかしようと考えている。
 
ところが父親は、見栄を張って「お金ならいっぱいある。心配するな」というのだが、妻に先立たれ、子供二人が都会に行くことになり、飼い猫も死に、別れる前に何とか思い出を作りたいと願っているのだが、親子と言えども、なかなか思いが通じず・・・。
 

 
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二人の中年男のダメダメぶりは、”おかしな二人”のジャック・レモンウォルター・マッソーさながら。「男というのはいつでも負ける。女にも負けるし、会社でも負けるし、どうにもならん」と居酒屋でグダグダ。突然酔っ払った勢いで、立ち上がって、世の中の不満をぶちまけ、周りからひんしゅくを買う・・・よくある光景だ。
 
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宮田の長男は、ゲーム三昧。友人と「ゲーム対戦」をやっていると知った宮田は、量販店で、ゲーム機を購入。息子の帰りを待って、「対戦」しようとゲーム機を見せると、それは「機種が違う」と言われる始末。娘は、同級生の女子高生とプリクラへ。
 
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そんな二人の子供たちに宮田は「父さんが中卒だと思って、そのあたりの事情(プリクラも知らない、ゲーム機も知らないという機械音痴)を知らないからと言ってバカにするとタダでは済まないぞ」といきがってみるのだが・・・。
 

 
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ややシリアスな家族ドラマだが、家族で歌ったことがある「ウサギのダンス」の歌と踊りが脳裏から離れない宮田。つい一人で踊りだすのだった。この踊りが抜群!
 
子供たちも、親の頑張っているのを知っているのだがうまく感謝の言葉を言えないでいた。タイミングと、気まずさなどでだ。
 
そんななかで、宮田は、自転車で、競馬の実況放送を語りながら、なんとか頑張っていこうと思っている。
 
映画のオープニングとラストシーンでは・・・。
宮田淳一、現在後方にいます。第4コーナーに差し掛かり、徐々に宮田淳一、スパート、直線一気のごぼう抜きです。1着ゴールイン!」と自身を叱咤しながら前を進む姿があった。
 
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一番近くて厄介なのが家族というものだが、平凡な生活を淡々と描いているが、光石研や、娘・桃子役の吉永淳のほか、亡くなった奥さん役の西田尚美など女優陣も注目だった。この他若手の染谷将太山本ひかるなどが出演。
 
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