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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「やぶにらみニッポン」(1963):新文芸坐(池袋)にて。

 
 
2本立ての名画座新文芸坐」(池袋)では、戦後70年企画として「戦後日本の歩み、11の断面」という企画を行っている。三部構成で現在上映中の第一部でしばらくぶりに2本続けて映画を見た。
 
第二部、第三部(8月12日~8月25日)では「日本の戦争 今こそ、反戦平和の誓いをこめて」という企画が続く。
 
 
 
第二部の「軍旗はためく下に」(1972)は、初公開時、感動した作品で再見したいし、未見の「私は貝になりたい」(オリジナル)もこの機会に見たい。
 

きょう見た1本目は、東京オリンピック開催を翌年に控えた1963年の日本の世相を風刺した人情コメディ「やぶにらみニッポン」(1963)。
 
映画のオープニングで、当時の日本の世相がナレーションで紹介される。日本は、フジヤマ、芸者だけでなく、9,500万人以上の人口を擁し、経済大国の途上にあることなどである。
 
・・・
ハワイ観光のガイドを終えて帰国した恋人の桃子(白川由美からアメリカで有名な二世の原子物理学者ジョン・町平(ジェリー伊藤)が嫁探しに来日したと聞いた週刊誌記者・森山(宝田明)は、「青い眼のニッポン日記」の企画をジョンに承諾させ、その夜から、無銭旅行者の友人イヤーン(E.H.エリック)も連れて、東京案内をはじめた。
 
ジョンが最も驚いたのは道路にあふれた自動車と神風タクシーだが、森山は日本の悪い面ばかり見られては大変だと、大和撫子が勢揃いのバー「夜」に案内した。
 
イヤーンはそこで忽ち戦災孤児だという梨子と意気投合。
アテられた森山は奥のテーブルにチラチラしている金髪美人とその連れの日本女性にウキウキし、ジョンと一緒に近づいて甘い囁きを・・・。ところがその日本美人は桃子だった。
 
アッと驚く間もなく桃子のアッパーは森山に、金髪娘で古典研究に来ている女子学生メアリーの空手チョップがジョンにとんだ。のびてしまった二人を、メアリーがブランデーの口うつしで介抱すると、森山が薄目をあけてヤニ下がっているので桃子はカンカン。
 
さて「ニッポン日記」は編集長に没にされたが、森山は、坊主作家、マンモス作家、
16歳の芸能社長兼歌手(木の実ナナ)などを連日インタビュー。またメアリーをグラビアに使うことにした。そのメアリーの家で純日本風なもてなしを受け、森山は大感激。
 
一方、その後桃子はジョンと急速に親しくなった。さて、森山とメアリー、ジョンと桃子、イヤーンと梨子の奇妙な三組のカップルが合同結婚式の真最中、日本名物の大地震が起こり停電、暗闇の中、なんと相手をとり違えてしまい、テンヤワンヤとなったが、三組がそれぞれ、カップルとなり、それぞれの人生を歩むことになった。
(MovieWalkerほか)。
 
オリンピックに向けた東京の建物の建設中の姿や、車、風俗などが垣間見られ興味深い。当時16歳の木の実ナナが若い。白川由美の若い時代の映画は、あまり見ていないが、現代的な女性を演じている。ナレーションと、映画の中で結婚式の司会を小林桂樹が、本人役で出演している。全体的に「社長シリーズ」のような、ややお気楽な映画だったが、一見の価値ある映画だった。
 
「やぶにらみニッポン」
1963年(昭和38年)/東宝/カラー/89分
■監督:鈴木英夫/脚本:奥山長春/撮影:完倉泰一/美術:小川一
■音楽:山本直純 
■出演:宝田明ジェリー伊藤白川由美若林映子、北あけみ、ムーザ・ケマナイ、E・H・エリック田中邦衛若水ヤエ子石川進木の実ナナ、上田吉二郎、佐多契子、塩沢とき、牧よし子、安川実、玉川良一人見明松本染升広瀬正一、桜井巨郎、草川直也、大屋満、村松恵子、三田照子、宮田芳子、清水由記、杉浦千恵、紅美恵子、小川安三、渋谷英男、那須一成、坂本晴哉、中野トシ子、池田生二、越後憲三、浦山珠実、羽柴久、坂下文夫、中尾純夫、小林桂樹十返肇寺内大吉
 
 
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