同名タイトルの映画が複数あり紛らわしいが、ブライアン・デ・パルマ監督の現在のところ最新作のスリラー映画「パッション」(2012)を見た。
デ・パルマ監督といえば自他ともに認めるアルフレッド・ヒッチコック監督の後継者。
ヒッチ監督が1980年に80歳で亡くなった時にはサスペンスの神様がいなくなり寂しさを覚えたが、その流れを汲むブライアン・デ・パルマ監督がいる、とやや安堵感があった。
60年代から映画を撮り始めたデ・パルマ監督は、70年代には「キャリー」などで知られていたが、1980年には「殺しのドレス」(Dressed to kill)を発表。この映画は、まさに「サイコ」へのオマージュのような作品で、ヒッチ監督への花向けとなった。
さらに「ミッション・インポッシブル」「ブラック・ダリア」などで、健在ぶりをみせている。
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若くして世界的な広告代理店のエグゼクティヴにのぼりつめた野心満々のクリスティーン(レイチェル・マクアダムス)。クリスティーンのパートナーのイザベル(ノオミ・ラパス)。さらにイザベル忠実なアシスタントのダニ(カロリーネ・ヘルフルト)。
クリスティーンは、手柄をイザベルから横取りし、ニューヨーク本社復帰の約束を取りつけるなど、自己中心。男も利用するだけ利用して切り捨てる悪女だった。クリスティーンの本性を知ったイザベルは、ついにクリスティーンへの反撃ののろしを上げるのだが・・・。
ベルリン警察はイザベルの身柄を拘束。イザベルに不利な証拠として、脅迫メールや現場に残された物証などがあり、イザベルの犯行と断定し、厳しい追及を受け、イザベルもそれを認める。
しかしイザベルは我を取り戻してからは、無実を主張する。
再捜査の結果、イザベルにはアリバイがあったこと、脅迫メールの日付に関する新事実が判明したことで、今度はイザベル、クリスティンとも関係があった男・ダークが新たな容疑者として浮かび上がる・・・(MovieWalkerほか)。
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「パッション」は、女の野心、裏切り、女同士のアブノーマルな関係、嫉妬や完全犯罪の企みなどを描き、二転三転する面白さがあった。
サスペンス効果を盛り上げる音楽も印象的で、携帯電話、スカーフ、ナイフといった小道具に使い方、画面が二分割になり、一方ではバレーの舞台シーン、もう一方では、アップになったイザベルの目など、ヒッチコック流の緊張感があり、面白かった。ラストは、意図的なのか、解釈が分かれるようなやや曖昧な点が残り、受け止め方は見る人により異なるようだ。
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