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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「風俗行ったら人生変わったwww」(2013)</span>

 

 
風俗行ったら人生変わったwww」(2013)は、奇抜なタイトルで、劇場で見るには気が引けるが、タイトルのイメージとはまったく異なって、健康的青春ラブコメディとして面白かった。
 

佐々木希
がまさかの風俗嬢を演じていることでも話題性がある。
主人公には、満島ひかりの弟満島真之介が扮し、何事もチャレンジする前にすぐ諦めてしまう29歳の自己完結型童貞男を熱演。
 
満島真之介は、前年の映画「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(2012年)で、数々の映画賞で新人賞を得ており、「風俗行ったら~」が事実上の初主演映画である。若手注目俳優の一人、松坂桃李谷村美月などが共演。
 

・・・
主人公の遼太郎は、小さい頃から吃音(きつおん)のせいで、他人との交流、会話ができず、友人も皆無だった。そんな時、自分を変えようと意を決して人生初のデリバリー嬢を呼んでみることにした。
 

 
ホテルに現れたのは、かわいい「かよ」と名乗る若い女性。
緊張のあまり過呼吸を起こしてしまう。やってきたワケありデリバリー嬢・かよに優しく介抱されて一目惚れし、恋という感情を初めて知る遼太郎。
 
かよは、元カレに騙されて借金返済のためデリバリー嬢として働いている。
遼太郎は、SNSで知り合った友人「晋作」(松坂桃李)とその仲間たちの力を借りて、彼女を救い出すため駆け回る。
 
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アメリカ映画のオマージュもふんだんに登場する。
「バック・トゥー・ザ・ヒューチャー」やマリリン・モンローが地下鉄の通気口に立ち、白いスカートがふわりと浮き上がるシーン(「七年目の浮気」)などである。
 
遼太郎がかよに、自分の気持ちを伝えるシーンでは、ふたりが立っているシーンを、どのように撮影したのか、360度カメラが何度も回るシーンがある。
 
遼太郎:「オレが言いたいのは、たったの6文字なのに(なかなか言えない)・・・」
かよ:「私、汚(よご)れている」
遼太郎:「知ってる」
かよ:「どうしようもないんだよ」
遼太郎:「知ってる。でも初めて会ったとき言ったでしょう」
かよ:「なにか?」
遼太郎:「だいじょうぶって。かよさんの過去なら背負えるから。
おれ、リュック背負うの得意だから。かよさん、きみがすきだ
かよ:「私も、好き。」
 
・・・
かよは、元カレが残した借金の保証人になっていて、100万円ほど借金があったが、高利貸しの社長のもとにある借用書を遼太郎の仲間たちが取り戻す大作戦を開始する。その男の自宅で、男を家から追い出すために、男が好んで見ていたDVD(「霊幻勇士」?)を奪い、その男は、仕方なくレンタル店に車で向かう。
 
そのレンタル店(板橋)の店では、全て貸し出し中。
店員らがグルになっていたと思われ、チェックして「渋谷店にあります」というので、そこへ行くと「池袋ならあります」などたらい回し。タッチの差で、先客女性が借りたので「1万円で譲ってくれ」というが、その借りた女は「百万円なら」と頑として聞かない始末。あげくに店からは「都内にはありません。新潟ならあります」(笑)。
 
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この映画で一番面白かったのは、遼太郎がアパートで、ピザを注文し、届けに来たピザの女の配達人(谷村美月)との会話。
 
遼太郎は、一人なのだが、ピザが配達される時間帯になると、玄関に靴を無造作に6-7人分並べて、パーティの最中のように”演出”するのだった。部屋の中ではテレビをつけっぱなしにして、賑やかそうな雰囲気にしていた。ピザはキングサイズを2個(2枚)。
 
女配達人が帰ったと思って、靴を下駄箱にしまおうとしているところに、領収書を渡し忘れたと言って戻ってきて、言う。
 
女配達人「なんでミエはってんのよ?」
遼太郎「ミエ?」
女配達人「きょうは虫の居所が悪いから、言わせてもらうけど、どうせはるなら意地をはれよ!ミエにもなってない。どうせ一人で全部食べんだろ。」←店の人が客にこんな失礼なことをいうか、だが、谷村美月は、わずかな出番ながら、印象に残る演技派女優だ(「阪急電車 片道15分の奇跡」など)。
 
しかし、次にピザ2個が配達された時には、仲間たちに囲まれ、賑やかだった。
 
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かよが風俗嬢になったいきさつが漫画チックに描かれる。
高1のときには、麦わら帽子のおっちゃん、高2では、毛糸の年金おじさんに、
高3では、テニス・コーチのおっちゃんに、かわいいからと、お小遣いをもらっていた。その後、バイト(”よろこんで”という挨拶が決まりの居酒屋など)をしていたが、カスのようなギャンブルでお金をせびる男と知り合い、借金の利息が加速して、キャバクラ嬢になり、ついには風俗嬢となったのだった。
 
かよの笑顔の中に、寂しさを見せる横顔に遼太郎も気づいていた。
(どうして、風俗嬢になったとは聞けなかった)
 
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遼太郎は、かよに吃音を打ち明けて、気が軽くなり、言葉がゆっくりでも、信頼関係を築いていくところなど、遼太郎も、これが恋だと感じていく。ただ、遼太郎が「今夜会えないか」というと「ごめん、仕事で」と言われた時に、はじめて「風俗嬢と客」ということを自覚するのだった。
 
遼太郎があまりにも不器用すぎて、いくらなんでもありえないと、最初はパニクり演技が鼻につくが、だんだんと成長していく姿が描かれている。
 
 
☆☆☆
 
 
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