時代劇のコメディとして面白そうだと思っていたが、後半にはワイヤーアクションのようなシーンもあり、見応えがあった。
籠では間に合わないので案内人・雲隠段蔵(伊原剛志)と走り続ける家臣たち。
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その命令とは、帰国を果たしたばかりの政醇に対し、「5日のうちに再び参勤交代せよ」というものであった。信祝は湯長谷藩が所有する金山に目をつけ、金山を手に入れようと無理難題をふっかけて、湯長谷藩を取り潰そうと企んでいたのだった
(Wiki)より。
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セリフの面白さも随所にあった。
・飯盛り女・お咲(深田恭子)が、顔色一つ変えずに2回も同じセリフを言う。
「(侍は)クソもすれば女も抱く」。2回目に言った時に「この方は老中だ」といわれた
お咲は、驚きのあまり「えっ、吐きそう」と言ってしゃがみこむのがおかしい。
・吉宗(征夷大将軍):「その老中とやらに、いわき(磐城)の気骨を見せてやれ」
「大根の漬物だ。いわきの土を殺してはならぬ。この先、永久(とこしえ)にな。
参勤、しかと見届けた。価千金だ。」→3.11東日本大震災を元気づけるセリフか。
・「わしに毒は効かん。効くのは酒じゃ。」
・「せっしゃとて、たまにはハメを外すんじゃ。」
・側室となったお咲の「お殿さま、走るんですか?」に、政醇は「わが藩は貧しくてのぅ。貧乏はまことにつらいのぉ~」
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知恵のある相馬(西村雅彦)が、大名行列をかわすために、褌(ふんどし)姿の飛脚に扮して、行列を通り過ごすことに成功するシーンも見所。飛脚と産婆は大名行列を横切っても良いという決まりがあったため、家臣一同がふんどし一丁で走ったのだった。
いくつかの宿場は、行列をチェックされるため、少ない人数を多く見せるために、先頭の行列の家臣が、ひとまわりしてふたたび最後尾に並ぶなどで、見張り番は「立派な大名行列だ」と感心することに。
深田恭子がなかなか良かった。西村雅彦も味わいがある。伊原剛志も歳を食った高校生役(「愛と誠」)よりも、野性味のある田舎侍のほうが似合う。柄本時生、六角精児、甲本雅裕といった曲者俳優もいるだけで存在感がある。
時代劇エンターテイメントとして一見の価値のある映画だった。
主な出演:
・お咲(飯盛り女):深田恭子
・雲隠段蔵(抜け忍):伊原剛志
・鈴木吉之丞(湯長谷藩士):知念侑李(Hey! Say! JUMP)
・今村清右衛門(湯長谷藩士):六角精児
・松平輝貞(老中首座):石橋蓮司
・相馬兼嗣(湯長谷藩家老):西村雅彦
・琴姫(政醇の妹):舞羽美海
・夜叉丸(隠密頭):忍成修吾
・高坂小太郎(隠密):冨浦智嗣
・虎之助(隠密):和田聰宏
・茂吉(農民):神戸浩
監督:本木克英
脚本:土橋章宏
音楽:周防義和
主題歌:塩ノ谷早耶香「Like a flower」
製作・配給:松竹
製作プロダクション:松竹撮影所
・優秀監督賞(本木克英)
・優秀主演男優賞(佐々木蔵之介)
第57回ブルーリボン賞:
・作品賞
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