「蚤(のみ)とり侍」(2018)を見た。MOVIXさいたま。
公開後1ヶ月経過し、平日朝(9:00)は、観客は数人だった。
前作「後妻業の女」は、独り身の高齢男性の後妻におさまり、その資産を狙う女を中心に、欲にとりつかれた人々が織り成す群像劇だった。「のみとり侍」は、江戸時代に実在したという、表向きは猫の“蚤とり”稼業だが、その実態は、女性に愛を奉仕する裏稼業(男娼:出張ホスト?)だったというのをコミカルに描いている。
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「猫の蚤(のみ)をとりまっしょい!」
「猫の蚤(のみ)をとりまっしょい!」
と掛け声をかけながら派手な服装をした中年の商人のおっさん達が江戸の街を練り歩く。遊郭あたりを通ると、女中が出てきて、「蚤とりをお願いします」と、常連らしき男に声がけをして男は家の中に消えていく。
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そして、寛之進は「明朝より、猫ののみとりとして無様に暮らせ!」と江戸の裏稼業・猫ののみとりを命じられてしまう。
寛之進は、“蚤(のみ)とり”のなんたるかも知らず、たまたま「のみとり屋」の看板のある家を見つけ、”のみとり仕事”を申し出るのだった。
のみとり長屋の親分・甚兵衛(じんべえ)(風間杜夫)とその妻・お鈴(大竹しのぶ)は、侍がのみとり仕事をするというのは、身内の仇を討つための隠れ蓑にして時を待つのに違いないと勝手に解釈して、寛之進を雇い入れる。まずは、大声で「猫の蚤(のみ)をとりまっしょい!」という掛け声の練習から始まる。
寛之進は、ほどなくして、亡き妻・千鶴に瓜二つの女・おみね(寺島しのぶ)と運命的な出会いを果たす。幸運なことに、初めての“のみとり相手”がおみねとなり、胸が高鳴る寛之進だったが、“のみとり”開始数分後「この、下手くそ!」と罵られ失意のどん底へ叩き落とされる。
落ち込んでいた寛之進の前に現れたのは妻・おちえ(前田敦子)に浮気を封じられた恐妻家・清兵衛(せいべえ)(豊川悦司)。寛之進は、欲求に忠実な清兵衛に「拙者に女の喜ばせ方を教えてはくれぬか!」と頼み込むのだった。
その甲斐あってか、寛之進の“のみとり”技術はめきめきと上達し、“のみとり”侍として一人前となっていくのだった。
「よいか、頼んだぞ」「承知しやした」
寛之進たちは、二日後には討ち首の刑に処せられることになるが、果たして、その運命は・・・?
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豊川悦司にしろ阿部寛にしろ、体格のガッチリした大男が褌(ふんどし)一丁で、おみね(寺島しのぶ)や遊郭の女を相手に演じる痴態シーンは迫真もので、俳優・女優ってすごいと思わせる(笑)。豊川悦司が入っている風呂に、上半身裸で入ってくる女優などは、グラマラスなAV女優ではないかと勘違いしてしまう。日活ロマンポルノとまではいかないが、エロティックなシーンも多い。
キーワード: うどん粉は、正しく使いましょう。
しかし、それ以上に、出演俳優の演技合戦が見所だった。
ただ、面白さでは「後妻業の女」(2016)の方が上か。
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「のみとり侍」
■公開日:2018年5月18日(金)全国東宝系にて公開
■原作:小松重男「蚤とり侍」(光文社文庫刊)
■監督・脚本:鶴橋康夫
■出演:阿部寛、寺島しのぶ、豊川悦司、斎藤工、風間杜夫、大竹しのぶ、前田敦子、松重豊、伊武雅刀、六平直政、三浦貴大、笑福亭鶴光、ジミー大西、オール阪神、飛鳥凛、雛形あきこ、樋井明日香、福本莉子、山村紅葉、桂文枝
「のみとり侍」
■公開日:2018年5月18日(金)全国東宝系にて公開
■原作:小松重男「蚤とり侍」(光文社文庫刊)
■監督・脚本:鶴橋康夫
■出演:阿部寛、寺島しのぶ、豊川悦司、斎藤工、風間杜夫、大竹しのぶ、前田敦子、松重豊、伊武雅刀、六平直政、三浦貴大、笑福亭鶴光、ジミー大西、オール阪神、飛鳥凛、雛形あきこ、樋井明日香、福本莉子、山村紅葉、桂文枝
☆☆☆
監督(映画)作品:
「後妻業の女」(2016)☆☆☆☆
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