アルフレッド・ヒッチコック作品の一日限定上映(池袋文芸座:「裏窓」「めまい」)に後ろ髪を引かれる思いだったが、あえてそれを振り切ってデヴィッド・フィンチャー監督最新スリラー映画「ゴーン・ガール」を見た。MOVIXさいたまにて。
原作は、全米で社会現象となったベストセラーで、著者はギリアン・フリンという女性で、映画の脚本も手がけている。タイトルは失踪女性だが、結婚五年目の妻が忽然といなくなり、妻を捜す夫が警察の捜査やメディア報道に追い込まれ、さらに妻殺害の疑いを掛けられてしまう物語を描くスリラー。
しかし、夫婦には隠された事実があり、驚愕のラストに向かってスパークする・・・というと宣伝文句になるが、これまでにない極上スリラーと言える。
・・・
幸福な夫婦生活を送っていたニック・ダン(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド ・パイク)。遡ること5年前、二人の出会いは、ニューヨークだった。2人は共にライター(著述業)の仕事をしていた。
ダンはミズーリ出身でニューヨークに上京してファッション誌などのライターの仕事をしていて、エイミーはクイズのライターだった。
もっとも、エイミーは親が児童文学の作家で、幼いときのエイミーをモデルにして大ヒットした児童書「Amazing Amy」のモデルとして有名だった。エイミー自身はかなり裕福だった。
そんな二人の出会いは、シャレた会話のやりとりもあり、意気投合。
ダンの案内でお菓子工場へ。そこの粉砂糖の粒子が粉雪のように舞い散る夜、ニックは、エイミーの口元についた粉を払って、口づけをするなどロマンチックだった。こうしてふたりは、ほどなく結婚することになったのだが・・・。
しかし、結婚5周年の記念日に、ニックが帰宅すると、エイミーが失踪し、家には争った形跡があり、さらにキッチンからエイミーの大量の血痕が見つかった。警察のボニー刑事らは失踪と他殺の両面から捜査を進めるうちに、アリバイがあいまいなニックを疑う。
美しい若妻エイミーが失踪したこの事件は注目され報道は過熱、ニック・ダンは全米から疑いの目を向けられカップルの知られざる秘密が明るみになる・・・。 ニックに不利な証拠、例えば浮気などが次々に明るみに出て追い込まれるが、ニックは妻殺しの犯人なのか。あるいはなにか隠された事情があるのか・・・。
床一面に血を拭き取ったような痕跡が・・・。
この手の映画は、予備知識なしに見るのに限るので、全く情報を遮断して見たので、ストーリー展開の面白さが伝わってきた。ネットのWikiなどを読むと、あらすじが書いてあってその通りなのだが、読んでしまうと驚きも半減かも知れない。
というわけで、「驚愕」の結末などにはふれない。
全米各誌は、この映画は「オスカー直行」などと高評価だが、主演女優のロザムンド ・パイクは、ノミネートは堅いだろう。(追加:主演女優賞ノミネートされた。受賞はなし)
・・・
映画に登場する悪女という記事を書いたばかりだったが、女は怖いぞ、という映画でもあった。 映画の中で「結婚は厄介だ」と言うセリフがあるが、これは全世界共通らしい。これから将来どうなるのかの答えは出ていない。ただ試練が待ち構えていることは確実のようだ。
過熱気味なマスコミ報道(大勢で自宅まで押しかける)は日米で共通のようだ。
テレビのアナウンサーによる事件報道が、何度も登場するが、テレビの取り上げ方が世論に大きく影響することも伺わせた。
ところでフィンチャー監督は、小道具などで、ヒッチコックの「めまい」などを意識していたという記事もどこかでみた。血痕、監視カメラ、日記帳、記念日の「宝探しゲーム」の「ヒントの封筒」などが効果的に使われていた。とくにエイミーが克明に走り書きしていた日記帳のメモ書きが、後に”事件”と大きく関わってくる。
今年見た洋画では、かなり上位(Top5)にランクされる映画となった。
予告編
監督:デビッド・フィンチャー
主な出演者:
主な出演者:
ベン・アフレック・・・ニック・ダン (The BARを妹と共同経営。元ライター)
ロザムンド・パイク・・・エイミー・ダン(ニックの失踪した妻。元ライター)
ニール・パトリック・ハリス・・・デジー・コリンズ (エイミーの元彼)
タイラー・ペリー・・・ターナー・ボルト (ニックの弁護士)
キム・ディケンズ・・・ロンダ・ボニー刑事
キャリー・クーン・・・マーゴット・ダン (ニックの双子の妹でバーの共同経営者)
エミリー・ラタイコウスキー・・・アンディ・ハーディー(ニックの浮気相手)
劇場公開日: 2014年12月12日
☆☆☆☆
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:
ついでにクリック・ポン♪。