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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ロスト・ガールズ」(原題:Lost Girls, 2020、Netflix)を見た。

  

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ロスト・ガールズ」(原題:Lost Girls, 2020、Netflix)を見た。

失踪した娘を捜すうち、数々の未解決殺人事件の存在を知った母親が、真実と正義を求めて闘い続ける姿を描く。

監督はリズ・ガーバス、原作は、ロバート・コルカーが2013年に出版したノンフィクション(実話)。

1996年から2013年まで約20年間に渡って10人から16人を殺害したとされる正体不明の連続殺人があり、被害者は主に売春婦とされ、いまだに未解決の事件が題材。

犯人が捕まっていないので、最後に「オチ」もない。アメリカでは20万件近くの殺人事件が未解決のままになっているという報告もある。警察の怠慢も指摘されるが、娘の搜索に消極的な警察を批判しつつ、母親が自身で動く事になる。

主演はエイミー・ライアンベン・アフレック監督の「ゴーン・ベイビー・ゴーン」(2007)で、娘がいなくなった母親役を演じて第80回アカデミー賞最優秀助演女優賞にノミネートされたが今回も失踪した娘の母親を演じている。

 

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真っ暗闇な夜。灯りがほとんどない草むらに囲まれた道を、錯乱したように逃げる女性がひとり。何かから追われているのか。車のライトが彼女を照らす。

2010年、ニューヨーク州エレンヴィル。中年女性のメアリー・ギルバート(エイミー・ライアン)は貧しい生活を支えるために今日も働いている。シフトの割り当てが若い労働者にとられるなどして、いらだちが増す。

そんな中、一番年下の娘のサラ(ウーナ・ローレンス)が学校で問題を起こしたらしいと連絡を受け、迎えにいき、なお働きづめの1日が続く。

おもむろにシャナンという人物に電話するメアリー。それは長女であり、今は一緒には暮らしていないようす。おカネに困っている話をすると、快く助けてくれるふうな会話をし、明日の夜に会う約束をした。 家に帰ったメアリーは、居間で幼いシャナンが1999年にタレントショーに出た時のビデオを愛おしそうに見ていた。ちょうどそのとき、帰宅してきたのは次女のシェリー。母の様子には興味がなさそう。

夜、待てどもシャナンは現れなかった。がっかりする母。シェリーはこっそりシャナンに留守電を入れ「ママに謝って、会いたいよ」と気持ちを伝える。

しかし、しばらく連絡が途絶えて、焦りを感じてシャナンを探し始める3人。車を飛ばし、ニュージャージー州ジャージーシティへ。携帯会社を問い詰め、情報は開示できないという担当者から、なんとか通話記録を入手。それによると携帯を5台も持っていたようで、不信感が増していくのだが・・・。 

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この映画を見ていて、2007年公開の「ゾディアック」を思い出した。連続殺人事件を描いたデヴィッド・フィンチャー監督のスリラー映画で、暗~い映画だった。

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ロスト・ガールズ」の主人公を演じるエイミー・ライアンが言葉が乱暴で、長女を幼い時に経済苦もあってか養子に出してしまう。警察は失踪事件などの捜査のやる気がなく、非協力的だったが、そのうちのひとりの刑事だけは、母親メアリーの勢いで、渋々ながら協力する。

この刑事を演じるのが、見たことがあると思ったら「ユージュアル・サスペクツ」のガブリエル・バーンメアリーの執念は「スリー・ビルボード」のフランシス・マクドーマンドを彷彿とさせる。次女シェリー役は「ジョジョ・ラビット」でキュートなエルサを演じたトーマサイン・マッケンジーだった。

映画の最後に、本物のメアリー・ギルバートが登場する。実話ながら未解決事件ということもあって、着地点が曖昧なところがあるので、スッキリはしない。

おすすめ度:30/100