「プレシディオの男たち」(原題:The Presidio、1988)は、ショーン・コネリー出演作で見逃していた作品。コネリー追悼のテレビ放映(BS-TBS)があり見る。
サンフランシスコのプレシディオ軍事基地で女性憲兵殺人事件が発生、事件を追う元憲兵の刑事とかつての憲兵時代の上司だった憲兵隊長の確執と活躍を、刑事と憲兵隊長の娘との恋愛を交えて描いたサスペンス映画。
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プレシディオ陸軍基地はアメリカ西海岸、サンフランシスコにある。基地内の将校クラブで、巡回中の女性MP隊員が射殺され、二人組の男がリンカーン車で逃走する。犯人は逃走の途中で巡査を射殺し、パトカーを炎上させる。
捜査にはサンフランシスコ市警と軍隊が協力して当たることになり、市警のオースティン刑事(マーク・ハーモン)が現場に到着する。
オースティンはかつてMP隊員として軍隊で働いていた。事件の被害者は元同僚パティ・ジーン(ジェニット・ゴールドスタイン)だった。遺体の傍らには当時の上司でMP隊長のコールドウェル中佐(ショーン・コネリー)も来ていた。中佐とオースティンとは軍隊時代から度々反目し合う仲であった。
軍隊側の捜査担当部署を巡って早速対立するオースティンとコールドウェル。コールドウェルは軍隊側の指揮官は自分であると主張、基地内では言葉の使い方に気をつけるよう忠告してその場を去る。
オースティンの見る限り現場は盗難にあった形跡はない。しかし、観葉植物に不自然に水が溜まっていることに気づく・・・。飲料水ボトルは、フィリピンから運ばれた別のボトルとすり替えられていた。
オースティンとコールドウェルがブラックマウンテン社の工場を見張っていると、車が停まり、下りて来たのはコールドウェルの親友マクルーア(ジャック・ウォーデン)だった。
工場の中では、ピールとその一味が、スポーターの持ち帰った飲料水ボトルの中からフィリピン産の宝石を取り出していた・・・。
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中佐の娘を演じるメグ・ライアンは、この当時ラブコメの女王として、その美しさが際立っていた。憲兵隊長アラン・コールドウェル中佐を演じるのがショーン・コネリー。前年の「アンタッチャブル」(1987)では初老の警官ジム・マローン役で警察官の制服姿だっが、今作でも軍服が似合い、渋い演技を見せている。コネリーは、制服でびしっと決めると絵になる。銃撃戦も迫力があった。
主な登場人物:
■ジェイ・オースティン(マーク・ハーモン)
事件担当のサンフランシスコ市警刑事。MP時代は上司のコールドウェルと対立していた過去がある。
■アラン・コールドウェル(ショーン・コネリー)
ベトナム戦争に従軍し、現在はプレシディオ基地のMP(憲兵)隊長を務める中佐。軍人としての規律と自律を重んじる性格。
■ドナ・コールドウェル(メグ・ライアン)
アランの一人娘。母親の自死を父親のせいだと思っている。細身の美人。厳格な父の影響で本心を出すことができず、オースティンへの気持ちを素直に伝えられない。
■ロス・マクルーア(ジャック・ウォーデン)
元曹長。ベトナム戦争時代はコールドウェルの部下で腹心の友。コールドウェル父娘とは家族ぐるみの付き合い。退役後は基地内の陸軍資料館に勤めている。
■ポール・ローレンス(ダナ・グラッドストーン)
ベトナム戦争に従軍していた陸軍大佐。
■アーサー・ピール(マーク・ブラム)
元CIAで複数の企業を経営する大物実業家。