「偽りなき者」(原題:Jagten、英語:The Hunt『狩り』)というデンマーク映画を見た。
これは、最近の記事「映画に登場する悪女」で、”悪女ではないが、幼い少女のウソが怖い”というコメントがあったので、見てみた。
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妻と離婚し、犬のファニーと暮らすルーカス(マッツ・ミケルセン)が、幼い少女クララのウソ(少女虐待)によって、保育園の女園長グレテが、それを鵜呑みにし、その保育園で働くルーカスを変質者として、園児の親、警察等に通報し、町の住人たち全てがルーカスに敵意を向けてくるのだ。スーパーに行っても店員から袋叩きにされ、追い出される始末。
ルーカスの親友でもあったクララの父親さえもルーカスを疑い、拒絶して突き放してきた。まわりの集団が一斉に、ひとりの人間を排除しようとする人間のもつ「怖さ」を表していた。
少女クララは、子供ながらに、騒々しい状況が起きてきたことから、事実ではないことを告白するが、大人たちは逆に「現実からの無意識の逃避行動だ」と勝手に解釈し、取り合わない。町の住人たちは、グレテからの情報だけで、またたく間にルーカスは”村八分”とされてしまう。
ルーカスは一旦警察に連行されるが、すぐに釈放されるが、いったん着せられた汚名はなかなか拭えない。家の窓に石が投げつけられ、表に出てみると、なんと愛犬ファニーが死体となって布で包まれていた。
ルーカスは一旦警察に連行されるが、すぐに釈放されるが、いったん着せられた汚名はなかなか拭えない。家の窓に石が投げつけられ、表に出てみると、なんと愛犬ファニーが死体となって布で包まれていた。
事件は11月だったが、クリスマスを経て翌年。
ルーカスはクララを抱き上げ大広間に向かう。友人たちの面前で、冤罪のきっかけを作ったクララを抱きかかえて歩くのだが、クララを咎めることもなく、何もなかったかのような態度で接するルーカス。
ルーカスがクララとともに大広間に入ったことで、拒絶されていたコミュニティーにルーカスが復帰できたという事の表れでもあった。
ところが、深い霧の中でルーカスは何者かに狙撃される。弾は間一髪で外れたが、逆光の中の犯人の顔は分からなかったが、いまだにルーカスの命を狙っている人間がいたのだ。この”村八分問題”の根深さを物語っていた。
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事件が尾を引いていて、すっきりしない後味の悪いエンディングだった。ただ、植えつけられた先入観による集団心理は、よってたかって非難中傷で怖い!と思わせる映画ではあった。
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