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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(2013)

 
  「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(原題: The Best Exotic Marigold Hotel、2013)を見た。guchさんなどから、「これはオススメ」の一押しの声があったので、M”女史(「007シリーズ」)もでており、見たのだった。
 
イギリス映画で、人生の残り少ない余生をいかに生きるかを模索していた年配者7人それぞれの事情で、インドのホテルでしばらくロングステイしようとやってきたところが名前だけ豪華だった(!)マリーゴールド・ホテルだった。
 
インドまでやってくる7人の、それぞれの事情・エピソードが簡潔に描かれて、映画のタイトル「The Best Exotic Marigold Hotel」の文字が、ゴールド色で現れる。
 
マリーゴールド・ホテルにロングステイすることになった老境の人たちが、滞在中に人生観が変わるほどの体験をしていく話がコミカルに、しかし、しんみりとした味わいで描かれている。群像劇で「グランドホテル」形式映画と言えそうだ。
 
 
■イヴリン(ジュディ・デンチ)は、夫を亡くしたばかりの未亡人。
無線インターネットを接続しようとするが、うまくできず、サービス・センターに電話で聞きながら作業係員ロボットのよう機械的な対応。口座名義人本人でなければ手続きが進められないというのだが、夫が心臓発作で亡くなったことを伝えるその対応変わない。
また、夫の死後に多額の負債があったことが発覚し、返済のために住んでいる家を売却しなくてはならなくな。息子は自分たち夫婦と同居すればいいというが、頑なに拒むイヴリン。 イヴリンの選択は、英国の統治時代を思わせる堂々とした風格を誇るマリーゴールド・ホテルでロングステイすることだった
 
■グレアム(トム・ウィルキンソン)は、判事として堅実に実績を積み上げてきたが、重厚な雰囲気の英国法廷で、判事(ヒュー・ディクソン)の引退記念のスピーチを聴いているが、心ここにあらず。突然、インド風の音楽が流れ、彼の体は英国にありながら、少年時代の最も重要なひとときを過ごした異国の地に思いが飛ぶ。彼は法廷を立ち去り、辞職してインドを目指す。インドに行ってやり残したことを果たしたいと思ったのだ。
 
■ダグラス(ビル・ナイ)とジーン(ペネロープ・ウィルトン)の夫婦は、退職後、夫婦で暮らす家を購入しようとしてい。高齢者向きの住宅で、不動産屋(ジェームズ・ローリングスの話を聞くが、納得できずに、不動産屋を攻めるが、実のところは、夫のダグラスを責めているの。ダグラスは退職金のほとんどを娘のIT事業立ち上げ資金として貸してしまったが、その事業がどうも芳しくなく金が返って来ないのだった。そこで、持てる金でリッチで華やかな生活を切望。持てる金でも夢のような暮らしができることを期待して、インドでのロングステイを決意した
 
■ミュリエル(マギー・スミス)は、いらいらしつつ病院で診察を待っている。英国人の医師を呼んでほしい」と、とんでもない人種差別発言をする。医師が黒人だったので、自分で彼を追い払ってしまい、いらいらしながら待ちぼうけを喰っているというのだ。看護師長はインド人の医師(ポール・バッタチャルジー)のもとに連れて行

 

 
しぶしぶ人工の股関節を使った足の手術の説明を受けるミュリエルは、手術までに時間が相当かかることが不満。そこで、医師は「当院と提携している医院でなら、低価格で手術でき」と勧めたのがインドだった 
 
■ノーマン(ロナルド・ピックアップ)は、相当の女好き。60歳を超えているのに、年齢を偽って25歳から39歳の枠だと自称し、見合いパーティー・イベントに参加。前に座った女性に年齢を確認されて「実は40だよ。」と答えるも、彼女は「40年代生まれ?」と、言われてしまう。結局、若い女性からは相手にされない彼は、恋を見つけるために、異国の地・インドに向かうこととなる。

■マッジ(セリア・イムリ)は、息子夫婦と同居し、孫もいるが、「いいおばあちゃん」として過ごすなんてとんでもないと思っている。離婚と結婚を繰り返してきたマッジは、恋に生きる女。「いっしょに住んで孫の世話をしてくれればいいんだよ。孫は好きだろう?」という息子に、もちろん、孫は大好きだけど、私はお金持ちの素敵な男性を見つけて結婚するわと宣言して家を飛び出し、タクシーに乗り込。運転手に行き先を訊かれ、一瞬、呆然とし、「まだ決まっていないわ。」と、インドに向けて出発する。
 
・・・
こうして英国を出発した面々だが、旅に不慣れだが、移動中に会話をするなどして親しくなり、インドの空港に降り立つころにはひとつのツアー御一行様のようなパーティーになってい
 
果たしてこの7人は、ステイ先のマリーゴールドで何を発見するのか、自分たちがどう変わるのか・・・。
 
 
この映画のラストでは、悩みの多かった7人がそれぞれの道を進む姿が描かれるが、以前とは打って変わって、ハツラツとしていた。気難しかったミュリエルは、車椅子を必要としなくなり、ホテルの仕事につくと、明るさを取り戻し、若々しくなり「水を得た魚」のように変わった。
 
 
・・・
ホテルの支配人(見たことがあると思ったら、あの「スラムドッグ$ミリオネア」の若者)は、カタログと違う「ぼろぼろホテル」ではないかと指摘されると、「いまは、立派なホテルになる途中だ。何事も最後は大団円になると、インド独特の楽天的なことを言う。細かいことは気にしない、というわけだ。
 
セリフの中で、いろいろないいセリフもあった。
イヴリン(ジュディ・デンチ)が、ホテル支配人の若者が、親の反対で恋人と別れることになった時に、「欲しいならつかむのよ!」と激励したことで、その青年は一念発起して、自信を持って、恋人に考えを伝えにバイクを飛ばしたのだった。
 
 
マギー・スミスは、終始苦虫を噛んだような表情だったが、「(食べ物で)発音できないものは食べない」「(インドで)インド人ばっかり。ここは地獄」(笑)。
 
インドのバスなど交通機関は常に満員でぎゅうぎゅうしているが「インドでは”満員”とは言わない。」 年寄りのプレイボーイ「君は守備範囲だ。」
ジュディ・デンチ(79)、マギー・スミス(79)は、ともにこの12月で80歳となる。
 この映画、続編もあるというのだが・・・ 
 ☆☆☆
 
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