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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「偶然の旅行者」(1988)</span>



偶然の旅行者」(原題:The Accidental Tourist、1988) を見た。

スター・ウォーズ/帝国の逆襲」や「レイダース/失われたアーク」の脚本家として知られ「白いドレスの女」で監督デビューを果したローレンス・カスダンが「白いドレスの女」のイリアム・ハート、キャスリーン・ターナーと共に再びトリオを組み、アン・タイラーの同名ベストセラー小説を映画化した作品。

この映画が公開された時にキャスリーン・ターナーが出ているというので、外国の劇場(字幕なし)で見たが、内容もシリアスで睡魔に襲われて不完全燃焼だったので再見した。



子供の死のショックから立ち直れずにいる旅行ガイドブックのライターをする主人公が、妻との別居などを経て、やがて出会うペットショップの訓練師との恋に落ちていく姿を描く。

偶然の旅行者」というのは主人公メーコン・ラリー(イリアム・ハート)の執筆した旅行ガイドブックの本のタイトル。結婚して17年になるが昨年12歳の息子を事故で亡くし、妻のサラ(キャスリーン・ターナー)から離婚を切り出されたところから始まる。最後に、もとのサヤに納まるかに見えたが、意外な展開が待っていた。

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映画は、主人公メーコン(イリアム・ハート)の独白の形で進む。
「旅行も人生と同じで、腹八分がいい。」
旅行かばんに荷物を詰めるメーコンだが、旅行先で便利だからと小袋に入った洗剤や、必要な小物を規則正しく並べていく。いかにも几帳面といった性格が分かる。スーツもグレーなら葬式でも間に合うと1着入れ「偶然の旅行者」のタイトルの本を
1冊手際よく詰め込む。

出版社の編集担当からは次の本の締め切りが迫られる。
「奥さんと別居したなら、1ヶ月締切を伸ばそうか」と編集者から言われるが「何をバカな、女房の一人やふたりで・・・」といきがるが、気分は落ち込んでいる。メーコンを始めラリー一族はとにかく社交嫌いで、方向音痴の様子。

旅行中、エドワードという愛犬を預かってもらおうと、ふと目にした「ワン・ニャン病院」に立ち寄ると、ミュリエル・プリチャード(ジーナ・デイヴィス)という、離婚した女性で、犬の調教師がいた。

誰にでも噛みつく愛犬エドワードを何とかしようと、メーコンはミュリエルを雇うことにするが、8歳の病弱な息子アレクサンダー(ロバート・ゴーマン)と2人暮らしというこの風変わりな女性と行動を共にするうちにメーコンはミュリエルの新鮮な魅力にひかれてゆくのだった・・・。

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主演はキャスリーン・ターナーのはずだが、ターナーは最初と最後くらいに出てくるが、映画では完全にジーナ・デイヴィスの存在感が圧倒的だった。淡々として、サバサバとしているが、メーコンが訪ねてくるときは、着飾って別人のように身奇麗にしていた。


          愛犬エドワード君もいつの間にか、主人よりもミュリエルになついていた・・・。


メーコンは、優柔不断なところがあって、どっちつかずで、18年暮らした妻・サラが、やり直そうと戻ってくるが、サラは自立して、自分を必要としていないことが分かり、一方で、ミュリエルには、自分が必要とされていると悟り、という結末だった。

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メーコンの妹や親戚などかなり変わっていて、社交嫌いということを書いたが、それは電話が鳴っても出る出ないで議論したり、電話に出ないということなどに現れている。

映画は、かなりシリアスで、やや重い印象だが、皮肉っぽく描かれている。
細かいところでは、コミカルなところもあって面白い。

飛行機に乗って、メーコンが本を読んでいるのは、話好きな乗客などが話しかけてくるのをシャットアウトするためだった。が、隣に座っていた太っちょの男は、お構いなしに自己紹介してきて、案の定、仕事のことなど根ほり葉ほり聞いてきたのだ。その男も最後には気づいて「本は実は人よけだったのだろうが、私には通用しないよ」とタチが悪かった(笑)。

メーコンは仕事柄、パリのホテルに宿泊すると、早速トイレなどをチェック。
メモ帳に、「ここはいい」などと記入。するとホテルの従業員が、メモを覗き込んだりしていた。

パリの通りのホットドックの売り子が「ヤンキースタジアムで売っているのと同じだよ」と言っていたので、メーコンが買って食べると、いかにも不味そうな表情だった。



ワンコのエドワードを調教しようと調教するミュリエルだが、リードを無理に引っ張ったり、かなりエドワードを無理やりしつけていたのが笑わせる。



編集者が「次のタイトルは、”渋々の旅行者”はどうか」というのも・・・。

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この映画は、1988年に最も高く評価された映画のひとつでアカデミー賞の作品賞、助演女優賞、脚色賞、作曲賞の4部門にノミネートされ、ジーナ・デイヴィス助演女優賞を受賞した。ジーナ・デイヴィスの演技には、うますぎて喝采を送るしかない。

オープニングシーン (なかなかいい)。
■見られない場合は、念のため:https://youtu.be/zWS1BKW_HFY


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