佐藤純彌監督によるサスペンス・アクション映画「君よ憤怒の河を渉れ」(1976)を見た。この映画は長年見たかった映画の1本。この映画と主演の高倉健を見て、中国のチャン・イーモウ監督が感激して、監督を志したというのを後から知ったからだ。
この映画は中国で特に評判を呼んだ。
タイトルの「憤怒」は、原作は「ふんぬ」だが、映画ではあえて「ふんど」と読ませた。
この映画は今見ても、サスペンスに満ち、豪華俳優の共演で見ごたえがある。
ある黒幕の陰謀で、罠にかけられ、無実の罪を負わされ、真犯人と真相を究明すべく逃亡する杜丘(もりおか)検事(高倉健)は、濡れ衣を晴らすために逃亡するドラマ「逃亡者」そのもの。
いきなり見ず知らずの女(伊佐山ひろ子)から強盗、強姦で訴えられ、また知らない男からも訴えられる主人公・杜丘(もりおか)(高倉健)。警察の取り調べ中に、スキを見て逃亡。訴えた女と男の身元を調べると意外な事実にたどり着く。
ある時、北海道の森の中で、熊に襲われそうになった牧場の娘・真由美(中野良子)を助けるが、命の恩人である杜丘に好意をよせる真由美は、杜丘を助けることになる。
乗馬にたけた真由美は「(杜丘に対して)いったいあなたの旅はどこまで続くのかしら。終着駅はどこにあるのかしら」と思いながらも、もはや逃亡者の”共犯者”として、杜丘と運命を共にすることになる。
あるときは馬を使い、またある時はセスナ機を使って逃亡し、黒幕を突き留めようとする杜丘は、ターゲットにたどり着けるのか・・・。
共演俳優が豪華で、池辺良、大滝秀治、岡田英次、原田芳雄などが脇を固めている。良家の子女のイメージだった中野良子が活発な娘役で、ヌードも見せる熱演ぶりだった。※Wikiによると、ヒロイン「真由美」は強い支持を得て中国国民8億人以上が視聴し、中国でも人気女優になる(このときのヌードは吹き替え。当然、中国ではこのシーンはカットされた)。
この映画は、ギドラキュラさんのプレゼント企画でゲットしたDVDの中の
1本(ほかに「ヴェラクルス」など)だった。
☆☆☆
1976年2月公開
監督:佐藤純弥
製作:永田雅一 (永田プロダクション)
音楽:青山八郎
出演:
杜丘冬人:高倉健
矢村警部:原田芳雄
伊藤検事正:池部良
遠波真由美:中野良子
遠波善紀:大滝秀治
長岡了介:西村晃
堂塔正康:岡田英次
大月京子:倍賞美津子(特別出演)
横路加代:伊佐山ひろ子
横路敬二:田中邦衛
酒井義広:内藤武敏
細江刑事:大和田伸也
ほか
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