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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「初恋のきた道」(1999)チャン・ツィイー映画デビュー作。

 
 
 
 
 
 
チャン・イーモウ監督、チャン・ツィイーの映画デビュー作「初恋のきた道」(1999、中国)を見た。まさにチャン・ツィイーのための映画。あどけなさ、可憐さが全身から溢れていた。
 
チャン・ツィイーについては、ブログ開始の月(2005年12月)に、早くも記事にしている。ブログをはじめる前年の2004年に見た映画「LOVERS」の美貌と、しなやかな動きに圧倒されてファンになったからだった。
 
5年間コメントゼロで、数年前についにコメントがひとり!)
 
LOVERS」のチャン・ツィイーの衝撃は翌年にももちこされ、さらに興奮気味の記事をアップしている。http://blogs.yahoo.co.jp/fpdxw092/37015077.html
 
 
                  「LOVERS」チャン・ツィイー (盲目の役だが・・・)
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前置きはともかく、チャン・ツィイーは「初恋のきた道」では語り手である青年の母の少女時代(この映画の主人公)を演じ、映画初出演を果たした。当時19歳。
 
19歳の割には幼さが残るが、その可憐さ、一途さ、かわいさなどが、目の表情などから溢れていた。田舎娘の役柄で、だぶだぶのモンペ姿で、下半身がでっぷりでずんぐりむっくりという体型が微笑ましい。走るシーンが多かったが、草原を全速力で、あの走りでは転ぶだろうなと思ったら、予想通りに、転んでしまった(笑)。
 
この作品は第50回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞。チャン・ツィイーも脚光を浴びるようになり、同作で百花奨最優秀主演女優賞を受賞した。
 
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映画の原題は中国語の「私の父親・母親」(英語:The Road Home)だが、「初恋のきた道」はよくできたタイトルだと思う。映画を見れば納得できる。
 
映画は、モノクロで始まる。父親ルオが亡くなったというのでしばらくぶりに帰省した青年(私)の語りによって物語が始まる。戻ってみると、母親ディはショックで、父ルオが教師をしていた学校の前で、腰掛けて身動きしない状態だった。
 
村人が、やってきて、帰郷した息子(私)に葬式の相談をする。
遺体を移動するのに、母親が人間の手で担いで運びたいと頑固に主張するので、人手も数十人はかかるし、村には年寄りと子供しかいないので、車(トラック)で移動するよう母親を説得して欲しいというのだった。
 
しかし母親ディは、頑として受け入れなかった。昔からの習わしで、「仏(亡くなった人)が、通りの景色などを忘れないように、かついで歩きたい」というのだった。村民だけでは人手が足りないことから、息子が人数と費用等を村の中心者に聞くと、椅子を運んだりも含めて36人は必要で、一人100元として3,600元、その他酒、タバコ代などを含めると4,000元あれば間に合うという。
 
5,000元を渡して、担ぐことになった。結局、あちこちから、100人もの父親(先生)の教え子たちが集まり、お金は誰も受け取らなかった。
 
場面が、40年前に遡ると、色鮮やかな田園風景や雪景色などカラーになる。
青年(私)の両親の自分が生まれる前の母ディ18歳、父ルオ20歳の出会いの頃を回想していく。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
時代は、1950年代後半から1960年頃だったろう。
水道はなく、井戸からの水汲みが中心で、二つの樽を竿で天秤のように担ぐスタイルが一般的だったようだ。学校を去っていく先生ルオ(後の父親)に、陶器の茶碗で餃子をいれて、風呂敷で包んだ母ディが、追いかけるが、転んでしまい、餃子は飛びちり茶碗を割ってしまう。あげくに、気が付くと、先生からもらった髪留め(かんざし)もなくしてしまうという不運が重なる。探し歩いた挙句、髪留めは見つかった。
 
壊れた茶碗は、通りかかった行商の瀬戸物の修理職人に頼んで、母の親(おばあさん)が修理してもらっていた。瀬戸物修理職人は、「買ったほうが安いよ」といったが、おばあさんは、「これは、娘(ディ)の心をもっていった人の記念の品だからね」だった。
 
母ディは学問がなかったが、父ルオの講義は、「声がいいい」と40年間も校舎に聴きに行っていた。父は、息子(私)に、1時間でもいいから、教壇に立って欲しかったと言っていたというので、1時間だけ授業を行った。母も駆けつけて、昔の光景とダブらせていた。
 
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はた織りで、「夜なべをする」、「たんと(=たくさん)食べて」など、地方の独特の言葉も印象に残る。そういえば、「母さんが夜なべをして、手袋、編んでくれた~♪」(かあさんのうた)という歌もあったな。
 
監督のチャン・イーモウは、高倉健主演の「君よ憤怒の河を渡れ」(1976)を見て映画監督を志したという。この映画は中国で爆発的大ヒットとなった。後に、イーモウ監督は、高倉健を招いて映画「単騎、千里を走る。」(2005、日中合作)を作った。
 

チャン・ツィイー
は、日本の俳優との共演も多い。
SAYURI」では、渡辺謙桃井かおりなどと、「オペレッタ狸御殿」では、オダギリ・ジョー、由紀さおりらと、「2046」では木村拓哉と共演している。
 
アジアの女優では、マギーQとともに、お気に入り女優の一人だ。
 
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