アクション・エンターテイメントの巨匠として知られるウー監督だけに、アクションも、ボート、車、オートバイのチェイス、銃撃戦など、スローモーションも交えてド迫力だった。アジアの美人女優が複数出ており見る価値があった。
殺人の濡れ衣を着せられた国際弁護士と彼を追う腕利きの刑事が、真相の究明に奔走する姿をまさに怒涛のアクションで描くいている。
中国映画だが、舞台は大阪で、日本映画を見ている感覚。
実際に日本語、英語、中国語が飛び交う。中国人俳優にたどたどしい日本語を話させる必要があったかはツッコミどころ。また、桜庭ななみの日本語はアフレコだった。映画は、明らかにアジアのマーケットを意識した作り。制作費は50億円とも言われ、日本の監督では資金集めは無理。
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国際弁護士のドゥ・チウ(チャン・ハンユー)は、気が付くと女の死体が横にあり、身に覚えのない殺人事件の容疑者に仕立て上げられたことに気付く。
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主人公の名前は、原作の名前「杜丘冬人」(もりおかふゆと)の名字「杜丘」をそのまま中国読み(ドゥ・チウ)としている。
・・・(以下、一部ネタバレあり)
大阪、あべのハルカスに本社を置く、日本有数の製薬企業、天神製薬。
その日は同社の設立記念パーティが開催された。パーティでは、酒井社長(國村隼)がスピーチをしていた。パーティー終了後、自宅へと帰った顧問弁護士、ドゥ・チウは、翌朝目覚めた時、ベッドの横に同社の社長秘書の死体を発見する。
昨日の夜、何があったのか・・・。
記念パーティで、真由美(チー・ウエイ)というチャイナドレスの女性と話し込んだところまでは覚えていたが、帰宅後の記憶が飛んでいて、何が起こったのかわけがわからなかった。しかし、駆けつけてきた大阪府警の浅野警部(徳永邦治)からは、一方的に殺人犯と決めつけられ、ドゥ・チウはその場で現行犯逮捕された。
その後、ドゥ・チウも独力で事件の真相究明に動き出す。
北川は真由美との結婚式の当日、抗議の自殺を果たしたのだった。
北川は、酒井社長の命を受け、違法な向精神薬の開発に携わっていたが、その危険性から、悪用されることを避けるため、処方コードを真由美の実家に隠していた。
しかし、牧場に再び殺し屋と矢村が迫っていた。ドゥ・チウを逮捕した矢村だったが、殺し屋達に囲まれてしまった二人は、手錠につながれたまま協力し合って殺し屋を撃退し、森の中へと退避する。
殺し屋レイン(ハ・ジウォン)
北川の遺品から、天神製薬が殺し屋を使って探し回っている「処方コード」を発見した真由美とドゥ・チウは、大阪に戻り、ホームレスの坂口と共に、天神製薬の研究開発センターへと乗り込む。入院中だった矢村もまた、負傷を圧して天神製薬に向かった。
天神製薬へ潜入したドゥ・チウがそこで見たものは、まるで強制収容所のような非人間的な扱いを受ける被験者達と、生体実験の恐るべき実態だった。
そこで、酒井社長やその息子、宏とも対面したドゥ・チウ、矢村。
果たして彼らは事件の真相を解き明かし、ドゥ・チウの嫌疑を晴らすことができるのか・・・?
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映画のオープニングから、ガン・アクションが炸裂。
真由美(チー・ウエイ)
「君よ憤怒の河を渉れ」の真由美役(中野良子)を演じた中国人女優・チー・ウェイも人気が出そうだ。ジョン・ウー監督の実の娘・アンジェルス・ウー(写真右)も殺し屋で出演しているが、こちらはポッチャリタイプだが、動きは俊敏。
「手錠のままの脱獄」という映画があったが、この映画でも、容疑者と刑事が手錠で繋がれ、2人で銃を構える”二丁拳銃”などは見所だった。日本人俳優が、英語を話すときにセリフがややオーバーになり、不自然になってしまうのが残念。
この数年のアクション関連の映画では、トップ3に入るくらいのノンストップアクションの迫力を堪能できた。
アクションは”ハンパない”(←口語。笑)。
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