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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「瀬戸内少年野球団」(1984)

ほぼ30年前に公開された「瀬戸内少年野球団」(1984)をDVDで見た。
 
淡路島出身の作詞家・阿久悠の自伝的小説を原作にした映画で、敗戦直後の淡路島を舞台に、野球を通して子供たちに民主主義を学ばせようとする女性教師と、スポーツに目覚めていく子供たちとの絆を描いている。
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女性教師・中井駒子先生演じる夏目雅子が「二十四の瞳」の大石先生を彷彿とさせる。いまやハリウッド映画でも活躍する渡辺謙の映画デビュー作でもあった。舞台では活動していたが、映画出演の時は25歳で、ギラギラしていた。岩下志麻は、床屋を営む未亡人だったが、バーを経営するようになり、貫禄を示す。
 
この作品は、夏目雅子の遺作となった。郷ひろみ伊丹十三大滝秀治ちあきなおみ加藤治子などが出演。芸能界を完全引退した元・お笑いタレント兼司会者も出ていた。
 
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昭和20年8月、敗戦直後の淡路島の国民学校で教鞭を執る駒子(夏目雅子)は教科書に墨を塗る作業を子供達に命じていた。進駐軍ジープが島を走り、チョコレートに群がる子供達。
 
 
海軍将官の娘、武女(佐竹しおり)が転校生として、また駒子の夫、正夫(郷ひろみ)も傷痍軍人として復員してきた。正夫の叶わぬ野球の夢を子供達に託すべく駒子は少年野球チームを作り、進駐軍チームと対戦することになる。マドンナの武女は父(伊丹十三)がシンガポールで戦犯処刑されるにおよび、東京の親族を頼って島を去ることになる・・・(HPより)。 
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駒子先生の夫(郷)がかつて野球少年であったので、その夢を生徒たちに引き継がせようと野球を生徒たちに教える駒子。子供の親たちも、手造りでグローブを作る。ペラペラの紙のような小さなグローブだったので、少年は、小さすぎると不満を言うと、「天狗のウチワではあるまいし」と笑う母親。
 
駒子の夫とその弟を巡る三角関係を芸人一座が即座に物語にしてしまったり、戦後間もない映画「はたちの青春」(1946)で、キスシーンがあると、見ていた少年たちは、やっちゃった、とはしゃぐ姿もほほえましい。
 
阿久悠が少年時代に見た敗戦の混乱とアメリカ文化の到来をユーモラスに描いている。夏目雅子の映画はあまり見ていなかったが、輝いていた。あまりにも早かった死が惜しまれる。
 
繰り返し背景に流れるジャズのスタンダード・ナンバー「イン・ザ・ムード」がなかなかいい。
  
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