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<span itemprop="headline">映画「犬神家の一族」(2006): リメイク版</span>


                    映画「犬神家の一族」の1シーン。
 

 
市川崑監督が1976年に監督した映画「犬神家の一族」のセルフリメイク版犬神家の一族」(2006)を見た。
 
1976年のオリジナル版は角川映画の記念すべき第1弾として製作され、現在の興収に換算すると50億円に相当する大ヒットを記録。その後しばらく横溝正史ブームが続いた。「獄門島」(1977)「悪魔の手毬歌」(1977)「八つ墓村」(1977)などである。
 
2006年版は、角川映画設立30周年記念企画として制作された。市川監督+主演の石坂浩二金田一は同じコンビ。また、30年前と同じ役を演じる加藤武大滝秀治、そして犬神三姉妹の次女と三女を演じた草笛光子三條美紀が違う役で出演している。
 

 

 
遺産を巡る争いであるとともに、ある復讐劇でもある。
オリジナル版を見たのは、36年前で、内容を正確には覚えていなかったが、今回リメイク版をみて、ストーリーが巧みであり、見所が多いことが分かった。
 
名匠・市川崑監督が90歳の時に、自身の作品をリメイクした意欲作で、市川監督は、この映画の制作の2年後に92歳の生涯を閉じた。これが遺作となった。
 
簡単なストーリーは、以下の通り。
一代で、製薬会社を起こして財を成した、立志伝中の人物・犬神佐兵衛翁(仲代達也)がなくなったことにより、遺産相続を巡り血みどろの惨劇が起こる。

金田一耕助石坂浩二)は、事件を危惧した古舘弁護士事務所に勤める、若林という人物から依頼を受け、調査に乗り出す。ところが、その若林なる人物と接触する前に、若林は何者かが仕込んだ毒により死んでしまう。

その後古舘弁護士(中村敦夫)から改めて依頼を受ける金田一耕助
「古舘さん、その遺言状と言うのは、そんなに変っているのですか?」
金田一さん。大いに。私は、恐ろしい。。。」

佐兵衛翁には、それぞれ母親の違う、松子・竹子・梅子という娘がいたが、遺言状の中身において三人娘はまったく無視され、佐兵衛翁の恩師である、神官・野々宮大弐の孫娘・野々宮珠世(松嶋菜々子)に全遺産を相続するものとするというものであった。
 
ただし、条件として「遺産は珠世が佐清(すけきよ・松子の息子)、佐武(すけたけ・竹子の息子)、佐智(すけとも・梅子の息子)の3人の中から婿に選んだ者に与える」
さらには、「珠世がこれを拒んだ場合には、青沼菊乃(佐兵衛翁の愛人)の息子・青沼静馬に全財産を与えるものとする」

荒れ狂う三人娘。
ここに、「遺産=珠世」をめぐり、男達の争いが・・・。
だが、珠世の心には幼き頃より、佐清に対する淡い想いが・・・。
そして、それは佐清もしかり・・・。。

だが、しかし!戦地から帰ってきた佐清の顔にはひどいケロイド状の火傷のあとが。また、珠世自身にも、「女の直感」いや「恋する者の直感」とでも言うべき勘が、「あれは佐清さんなの?」と言う疑念が消えずにいた・・・。
次々と殺されていく男達・・・。


「善きことを聞く」、「よきことをきく」、「よき・こと・きく」・・・「斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)」という犬神家の家宝になぞらえて、次々と惨劇が。
「菊」人形の首とすげ替えられた生首
絞殺死体の首に巻きつけられた「琴」の糸
そして、池の中に逆さまにされた「すけきよ」⇔「『よき』すけ」

はたして、犯人は?
金田一耕助は、どのようにしてこの謎を解くのか?
 

 

母親の違う3人の娘に、富司純子松坂慶子萬田久子が扮しているが、とくに富司純子が、かつての任侠映画のお竜さんのイメージを彷彿とさせるようなシーンもあり、熱演だった。
 
謎に満ちた白い仮面、湖に現れる逆さになった二本の足など強烈なシーンが見られる。女中役で深田恭子も出ていた。
 

 

出演:    
 
石坂浩二金田一耕助
松嶋菜々子(野々宮珠世)
尾上菊之助犬神佐清)     
富司純子(犬神松子)
松坂慶子(犬神竹子)
萬田久子(犬神梅子)
葛山信吾(犬神佐武)
池内万作(犬神佐智)
螢雪次朗(犬神幸吉)
永澤俊矢(猿蔵)
石倉三郎(藤崎鑑識課員)
尾藤イサオ(仙波刑事)
三條美紀(お園)
三谷幸喜那須ホテルの主人)
林家木久扇(柏屋の九平)
深田恭子(はる)
奥菜恵(犬神小夜子)
岸部一徳(犬神寅之助)
大滝秀治(大山神官)
草笛光子(琴の師匠)
中村玉緒(柏屋の女房)
加藤武(等々力署長)
中村敦夫(古館弁護士)
仲代達矢(犬神佐兵衛)
 
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