fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「川の底からこんにちは」(2010)


川の底からこんにちは」より(木村水産 社歌)
 
 
 
2010年度「キネマ旬報ベスト10」の第5位川の底からこんにちは」を見た。
笑わせて共感を呼ぶ映画だった。こんなに面白い映画だとは思わなかった!
 
前から評判を聞いていた。主演の満島ひかりが、石井裕也監督(26歳)に「私を使わないと損をする」と働きかけた作品。勢いと元気をくれる応援歌のような作品で、満島ひかりが、パワフルな演技を見せる。
 

 【2010年日本映画ベスト・テン】
1位 悪人
2位 告白
8位 ヒーローショー
10位 ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う
* 次点 武士の家計簿
 
18歳の時に、高校の部活の先輩と駆け落ちして東京に出て、一か月ほどで捨てられて、これまでに4人の男と付き合うがことごとく捨てられてきた「しょうがない」が口癖の木村佐和子(満島ひかり)。職場も5年で5回目。同僚女子と、給湯室でいつもだべっているが、しょうがないとあきらめの人生のような目標のない生活。いつも缶ビールばかり飲んでいる。ほとんどアル中(笑)。
 

仕事も人生も妥協して生きてきた佐和子は、5年間も実家に帰らなかったが、病気で倒れた父親・忠夫(志賀廣太郎)の営む「しじみ加工工場」の木村水産の再建に奮闘することになる。従業員たちは、ほとんどがベテランのおばさんばかりで、駆け落ちして家出した社長の娘といっても、小ばかにした態度で接する。     
声がいい志賀廣太郎
 
工場の従業員からは相手にもされず、恋人の新井健一(遠藤雅には、浮気されな がらも、どん底から開き直って成長していくヒロインを演じる満島ひかりの熱演がすごい。
 
メガホンを取るのは、「剥き出しにっぽん」などで国内外から高い注目を集め ­る石井裕也。夢や希望を持ちにくい世の中で、中途半端に生きてきた人々が逆境に立ち向かっていく姿が共感を誘う。
 
木村水産は、景気低迷の影響もうけ、売り上げも伸びず、形式的に古い社歌を歌っていた。あるとき、佐和子は、開き直って、従業員を前に、すべてをさらけ出して、
「自分は駆け落ちをした。18歳だった。好きだったから仕方がなかった。自分は中の下の人間だ。みんなの中で、いや自分は違うという人はいるか?」と問いかける。誰もいないことを確認すると、みな中の下の人間だから、頑張るしかない」と強く訴える。このあたりの満島ひかりの迫力の演技が光る。
 

 
従業員の中に、昔バンドをしていた社員もいることがわかり、新社歌を作った。これが「政府を倒せ」などと勢いもよく、シジミ・パックのデザインも一新したところ、売り上げは2倍近くに伸びることになった。浮気をして東京に行った健一も、相手から愛想を尽かされ、また佐和子のところに戻ってきた。
 
佐和子の父親は、生前骨を川に捨てるように遺言していたので、骨を捨てに川まで葬式後にバスで行く。戻ってきた健一に、骨を投げつけるが、健一は平謝りするだけ。
 
従業員のまとめ役の塩田敏子(稲川実代子)は、佐和子に向かって「私たち全員が、あんた(佐和子)の母親だからね」と全面サポートを宣言する。佐和子は、「みんな、父親と関係したっていうこと」というと、「全員じゃないよ。少なくとも、私は違う。XXちゃんも違う。後は、関係があったけど」とうなずくのがおかしい。「社長(お父さん)は、いい男だったもの」。
 
佐和子の「しょうがないから、明日も頑張るね」で、エンド。
 

 
                                  「しょうがない」→「頑張るしかない」に変化する映画。
 
キャスト
木村佐和子:満島ひかり
新井健一:遠藤雅
健一の死別した前妻の娘・加代子:相原綺羅
佐和子の父・木村忠男:志賀廣太郎
忠夫の弟・木村信夫:岩松了
高木正樹:並樹史朗
塩田敏子:稲川実代子
塩田淳三:猪股俊明
遠藤進:菅間勇
斎藤響子:牧野エミ
月島さん:工藤時子
杉山さん:安室満樹子
中島さん:しのへけい子
江口さん:よしのよしこ
腸内洗浄スタッフ:目黒真希
川上良男:森岡龍
ギャル:廣瀬友美
サユリ:山内ナヲ
モトカ:丸山明恵
医者:潮見諭
保育園の先生:とんとろとん
 
☆☆☆☆
 
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加してます:クリック♪。