受賞の喜びの声を期待した記者たちを前に田中さんから発せられた言葉は、大女優・シャリー・マクレーンのことばの引用だった。
会見冒頭、受賞した今の気持ちを求められた田中さんは、「確かシャーリー・マクレーンだったと思いますが、アカデミー賞に何度も候補になって(落選し)、最後に受賞したときに『私がもらって当然だ』と言ったが、そういう感じ」と発言。過去4回芥川賞候補になりながらすべて落選したことを振り返った上で、
「ここらで断るのが礼儀ですが、私は礼儀を知らない。もし断って気の小さい選考委員が倒れたら、都政が混乱します。(選考委員のひとりである石原慎太郎)都知事閣下と東京都民各位のために、(芥川賞を)もらっといてやる」
となげやりに話すと、報道陣からは笑い声と拍手があがった。
「もらっといてやる」発言の会見はこちら↓
「もらってやる」「辞めてやる」
今回の田中氏の発言の前段には、石原都知事(選考委員の一人)が芥川賞候補作品について「自分の人生を反映したリアリティーがない。つまり心身性、心と身体が感じられない。バカみたいな作品ばかり」と言っていたことだ。
田中の反応を聞いた知事は、笑った後に「オレはむしろ彼の作品を評価したんだけどね」と言いながらも、「読み物としては読めたが、ある水準に達してないね、全然。あれ(選考)は○X△ で付けるんだけどね、ボクは△しかつけなかった」と手厳しかった。
56年前、23歳で「太陽の季節」で颯爽と登場して以来、ずっと陽のあたる道を歩んできた石原と39歳の田中は好対照だ。会見でも「5回目で受賞はまぬけです」なんていっていた。どっちもどっち、口ではいい勝負かもしれない。
二人の話を聞いていると、 なんだか「共喰い」のような気がするが。
一応、芥川賞の受賞作品だから、「読んどいてやる!」(笑)といいたくなるが・・・。
田中氏は、サラリーマンなど外で働いたことは一切ないという。
家にこもって、小説を書き続けてきたというのだが・・・。
質問を受けるときの態度は、首を勝手にぐるぐる回したり、なんだかなぁ~(笑)。