映画監督の恩地日出夫が1月20日、肺がんのため死去した。88歳。
慶応大卒業後、東宝に入社。堀川弘通監督の助監督を経て、1960年、27歳で監督に昇進、東宝ヌーベルバーグとも呼ばれた「若い狼」で監督デビュー。
恵まれない境遇の男女の恋愛を描いた「あこがれ」(1966)は、内藤洋子売り出しのための作品だった。女優の登竜門とも言える作品「伊豆の踊子」(1968)で内籐洋子を再び主演で監督し、酒井和歌子主演の「めぐりあい」(1968)など、みずみずしい青春映画で注目された。
村田喜代子さんの小説を映画化した「蕨野行(わらびのこう)」(2003)では、江戸時代のうば捨ての風習を通して死を見つめた。監督作品は15本と多くはないが、テレビの火曜サスペンスなどを手がけた。
テレビドラマ「傷だらけの天使」(1974年-1975年)の印象的なオープニングシーンの演出などが話題を集めた。
1979年には、シンガーソングライターの泉谷しげるを主役に起用した土曜ワイド劇場「戦後最大の誘拐 吉展ちゃん事件」で、芸術祭賞優秀賞を受賞(この作品が泉谷しげるの俳優デビュー作となった)。
毎日映画コンクール選考委員を務めた。
ご冥福をお祈りいたします。
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