
映画「ニューオーダー」(原題:Nuevo Orden、2020)を見る。メキシコ・フランス合作のディストピア・スリラー映画。予備知識なしで見たが、全く救いようのない胸糞映画(非常に後味が悪いが良作)として話題になった問題作とのこと。完全な劇薬(劇毒)作品だった!
ブログで紹介する映画は、たいてい見てよかった、ぜひ見てほしいというのが普通だが、この映画に関しては見たほうがいいとは決してお勧めできない映画。
格差が極限まで拡大した近未来のメキシコを舞台に、暴動と軍事クーデターによって崩壊する社会を冷徹な視点で描いている。
監督は「或る終焉」(原題:Chronic、2015)で知られるメキシコのミシェル・フランコ。今そこにある危機をリアルに描き、ヴェネチア国際映画祭で審査員大賞を受賞。
メキシコの監督がこの10年でアカデミー賞の監督賞を5回、実に半分を受賞している事実。メキシコの監督で次世代の星と言われているミシェル・フランコ監督の特徴などを知れば映画「ニューオーダー」も大納得。
アカデミー賞監督賞 ![]()

<ストーリー>
メキシコの富裕層の娘・マリアン(ネイアン・ゴンザレス・ノルビンド)は、その日、自身の結婚パーティーを迎え、幸せの絶頂にいた。


会場の自宅には、たくさんの親戚や友人、父親に関わる有力者たちが駆け付け大賑わいとなっていた。
だが、通りを隔てた向こうでは、貧困層による貧富の差を訴える抗議活動が過激化して、暴動が起こっていた。
暴徒たちはパーティー中のマリアン宅にも押し寄せて、富裕層の人々は殺戮と略奪の憂き目にあう。
マリアンは、使用人のクリスチャン(フェルナンド・クアウトレ)の車で外出していたため、難を逃れるが、軍部は事態を治めるために、戒厳令を出し武力鎮圧に乗り出す。
一夜明け、街には数々の死体の山、徹底した外出禁止令のアナウンスが響き渡る。
マリアンは軍に保護されたかに思えたが、それはまだ地獄への入り口に過ぎなかった…。



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これほど後味の悪い映画も見たことがない。貧富の格差を描くのはいいが、あまりにも残酷な描き方で、胸糞もマックスに達する。
頭に布をかぶせて銃殺にして横に並べて、灯油をかけて火を付けて焼き払う。あるいは、頭巾を被せて、西部劇で見られるような絞首刑や、車に乗せて、一人づつ後ろから銃殺する、など。
富裕層一家に使用人として雇われていた女が、暴徒の仲間だったというのは、金持ちに対するやっかみ憎しみとしてわからないではないが、身代金を要求して、受け取ったらまた要求額を釣り上げ、人質を次々に殺していくという地獄絵図。
暴漢たちの手口は、捉えた女性や人質の額にマジックで番号を書き、名前と、夫など家にいる者の電話番号を控える。女たちは、さらに性暴力を受けるのだ。
銃を突き付けて、家族に電話をさせて、要求に従うように伝え、暴徒の輩たちが回収に向かうのだ…。
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