ロバート・デ・二―ロ主演の「アナライズ・ユー」(2002)は、前作「アナライズ・ミー」の続編で、コメディタッチのギャング映画。同じギャング・マフィア映画で、ロバート・デ・二―ロが主演の「カジノ」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「グッド・フェローズ」「ゴッドファーザーPart II」「アンタッチャブル」などのような本格マフィア・ギャング映画を連想すると、肩すかしをくらう(笑)。
収監中のマフィアのボス、ポール・ヴィッティ(ロバート・デニーロ)が、どうも様子がおかしく、なんと大きく踊りながら「ウエストサイド物語」のナンバーを朗々と歌い上げたかと思うと一気に塞ぎこんで無反応となってしまう・・・。
若手のギャングが目の前に現れると、「お前は、アル・パチーノに似ているな、目のあたりが」なんていう言葉がポンポンでてくる、少々おふざけ映画なのだ。デ・二―ロとパチーノといえば、「ゴッドファーザーPart II」などで共演もしている大物スター同士だが・・・笑。
精神分析医で、以前ポールを診ていたベン(ビリー・クリスタル)が呼ばれ、ポールはベンの保護観察下におかれる。ベンは父を亡くしたばかりで、ポールの身勝手さがさらに追い討ちをかけうんざりしてしまう。ポールを更正させようと堅気の様々な仕事に就けても持ち前のマフィア気質が邪魔をしどれもうまくいかない。ギャング・ドラマの監修を依頼され引き受けるが、リアリティがないと昔の本物のギャング仲間を撮影現場に集結させてしまう。
一方、ポールの後釜・パティー(キャシー・モリアーティ・ジェンティエリー)たちとリガッチ(フランク・ジオ)の二つのファミリーが抗争中で、両者ともポールを引き入れようと画策する。ポールはリガッチ一味と強盗を企て、ベンも加わることになる。強盗は首尾よくいくが、ベンは不安からパニック状態になり、父を亡くした喪失感を吐露。ポールとベンは悲しみを共有する。
ポールはひっそりと暮らすことを約束。感謝するポールに自信を取り戻したベン。二人は、「ウエストサイド物語」の「サムウェア」を歌い、別れる。
現代の俳優では、最大の男優の一人、ロバート・デ・二―ロだが、ときどき、「あれ?」と思うようなB級映画に出ることがある。「アナライズ・ユー」もその類で、精神状態がおかしく、叩いてもつねっても表情がなかったのは、すべて「演技」だったのだが・・・。映画のエンドロールが流れると、実際に、NGシーンも見られる。
この映画は、前年にニューヨークのテロ事件があり、そのニューヨークを舞台にした映画で、悲しみにくれる人々に生きる希望を与えるオアシス映画といううたい文句だった。
ビリー・クリスタルは、アカデミー賞授賞式の司会(6回司会している)では、マルチ・タレントぶりを発揮していたが、映画を見るのは「恋人たちの予感」(1989)以来。この映画では、メグ・ライアンとの掛け合いが最高だった。
「アナライズ・ユー」は無料動画(Gyao)で、見られる。
★★