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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「ぐるりのこと。」(2008)・・・木村多江がアカデミー賞最優秀主演女優賞。</span>


昨年の日本アカデミー賞の授賞式をテレビで見ていたときに、最優秀主演女優賞が「木村多江」と発表され、木村多江が登壇しましたが、「多江Who?」でした(笑)。それまでほとんど知りませんでしたが、その凛とした姿が印象的で、女優賞を獲得した映画が「ぐるりのこと。」だったので、ずっと気になっていました。


今回見ることになったのは、昨年「沈まぬ太陽」や、とくに「ゼロの焦点」が、3大アカデミー賞女優の競演といううたい文句でしたから、「ゼロ~」を見たら、これがすばらしかったので、「ぐるり」を見ることにしました。

感想は、すごい!でした。

映画は、一組の夫婦の10年間を描いていますが、せりふがどこにでもいる普通の夫婦の会話なので、驚きました。台本があるわけですが、まるで自然に会話しているような錯覚を覚えました。


自然すぎで、すばらしいと思った場面は多々ありましたが、妻の祥子(木村多江)が泣きじゃくるシーン。脚本にどこまで書いてあるのかわかりませんが、あのシーンだけで、ただものではないと思ってしまいました。もうひとつは、夫婦の風呂場のシーン。この入浴シーンのやり取りが「絶妙」で、いくら役の上とはいっても・・・(爆)リアルなので、またまた脱帽です。

あとは、カレンダーのX印・・・笑。

だんなが優柔不断な性格なので、物事を取り決めて、実行するように、というものですが、このあたりの祥子(木村)のせりふの言い回しなども、うなってしまいます。




夫・カナオを演じるリリー・フランキーという人も、この映画までは知りませんでしたが、一歩引いたような、ややシャイな演技がまたうまいと思いました。カナオは、画家を目指していましたが、頼まれて、裁判の被告人の様子をスケッチして、新聞社のデスクに渡す仕事です。かなり限られた時間の中で、同じように裁判には記者や同業の「法廷画家」がいますが、新米のカナオは、要領がつかめず、最初は苦労します。こうした仕事の合間に、垣間見える、幼児殺害事件の被告、被害者の様子などが克明に描かれていき、犯罪の実態、被告人の態度など、普段目にしない光景が映し出され、興味を引きました。

新聞社の責任者の柄本明は、相変わらず、うまいです。

監督は橋口亮輔

時代背景は、1990年代初頭から21世紀へと時代が激変した10年。実際に起きた社会的事件の数々(地下鉄サリン事件など)を背景に、時時を切り取って、一組の夫婦の時の流れを、心にしみいるように描いています。

主な出演者:


☆☆☆☆


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