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<span itemprop="headline">映画「岸辺の旅」(2015)鑑賞と高崎映画祭授賞式。</span>



岸辺の旅」(2015)を観た。3月26日~4月10日まで開催されている高崎映画祭の上映作品の1本で、邦画は「野火」「恋人たち」「FOUJITA」「アレノ」など計21本が上映される。

第30回高崎映画祭授賞式(27日午後4時~)に先立って、午前中に観たのが同映画祭で最優秀主演女優賞(深津絵里)、最優秀助演女優賞蒼井優)を受賞した「岸辺の旅」。黒沢清監督・脚本で、カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で監督賞を受賞した作品。

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ストーリー:
3年前に夫・優介(浅野忠信)が失踪してしまってから喪失感を抱えていた瑞希深津絵里)は、ようやくまたピアノ講師の仕事ができるようになった。そんな中突如優介が帰宅し、自分は死んだと告げる。



優介に誘われるまま旅に出た瑞希は、初老の新聞配達員(小松政夫)、小さな食堂を営む夫婦、山深くにある農園に住む家族といった3年の間に優介がお世話になった人々を夫と一緒に訪ねていく。

空白の時を巡るように優介と一緒に過ごしながら彼が感じたことを同じように感じるとともに、見たことのない優介の一面も知っていく瑞希。二人は改めて互いへの愛を感じていくが、告別のときが近づいていた(MovieWalker)。

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死んだ夫が突然現れ、夫婦で、かつて関係した人々を訪ねてあるき、妻は夫の知らなかった一面を知る事になる。その中で、妻が、夫と恋愛関係にあった女性と対面することになる。夫妻を演じるのが浅野忠信深津絵里で、夫の愛人を演じるのが蒼井優



この映画では、深津絵里が、数年前の「悪人」での演技を彷彿とさせるような存在感を示した。一方、蒼井優は、ワンシーンのみの登場ながら、一見、かつての名女優・原節子のような凛とした佇まいが印象的。

映画では、瑞希の夢のシーンと現実などが入りまじり、登場人物の中には、亡くなった人物も登場し、やや混乱する場面もあるが、映像や音楽、ストーリーの運び方などユニークだった。柄本明などが脇を固めている。

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高崎映画祭授賞式では、蒼井優などが登壇。さすがに現代の人気女優、華がある。蒼井優は「日本映画の大女優のひとり、深津絵里さんは、圧倒する演技だったが、私が登場するシーンは少なく、深津さんとの対峙するシーンでは、(役柄上では)負かした」と笑わせた。「ワンシーンということだったが、役作りには取り組んだ」という。

授賞式に登壇した受賞者の中では、女性は蒼井優と「特別賞」の岸恵子の二人だったが、蒼井優は、スリットの入った黒のロングドレスで、身長160センチということだが、スラリとした印象だった。ほかの受賞者が、ほとんど無名の俳優の新人や監督たちだったので、蒼井優が登場した時には、千数百人の観客からそのオーラにどよめきが起こった。

岸恵子は「ここに泉あり」(1955)の映画が高崎の市民オーケストラが、群馬交響楽団へと成長する草創期の実話を舞台としたヒューマンドラマであり、高崎を「音楽」と「映画」の街というイメージの確立に貢献したとして、特別賞が贈られた




岸恵子
は「”ここに泉あり”に出演したときは21歳で最も若く、共演者の岡田英次さん、小林桂樹さん、加藤大介さんなどお亡くなりになり、私が代表して受け取った」と語った。岸恵子が登場した時も、日本映画の歴史上の大女優の風格が溢れていた。とても83歳には見えない若さだった。世界的な本格女優には、”あの岸惠子”が目の前にいると思うと鳥肌が立った。

「ここに泉あり」の撮影の時には「予算もなく、たしかノーギャラ出演だったハズ」と語った。また、映画の撮影の合い間の食事も、さつまいもなどを地元からいただきふかして食べたエピソードなどを懐かしく語っていた。

新旧女優を直接、近くで見ることができ、有意義な授賞式だった。
会場内は撮影不可だったのが残念。授賞式が終わって、受賞者が車で帰る時に、
車の中から蒼井優が手を振っていたので、こちらも手を振った(笑)。「恋人たち」に出演した若手俳優たちが目当てだったのか、女性ファンたちが、車の中に俳優がいないか、残って待ち構えていた。どこにでも”追っかけ”はいるものだ。

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今回の映画鑑賞、授賞式の入場券は、ブログ友の徳さんからいただき参加することができた。徳さん、ありがとうございました。

徳さんは、映画のみならず、映画音楽、ビートルズ、GS、絵画(「フェルメール」など)、野球などにも造詣が深く、色々と教えてもらった。高崎市内で開催中の「フェルメール 光の王国展 in TAKASAKI」も案内してもらい見学した。フェルメールの名前は「真珠の耳飾りの少女」などで有名。絵の中の、”ブルー”の色調が特徴。記事は、別途紹介する予定。


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