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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">オバマ大統領就任演説(全文日本語) Part 2</span>

オバマ大統領の就任演説 Part 2です。どこかの国とは大違いです(笑)。
オリジナルの演説(英語)は、Part 1で。




 われわれは、この遺産の守護者である。この信条にいま一度立ち返ることで、より大きな努力、国と国の間のより踏み込んだ協力と相互理解を必要とする新たな脅威に立ち向かうことができる。われわれは責任ある形でイラクイラク人に委ね、アフガニスタンでは努力を惜しまず平和を築き上げる。古き友、かつての敵とともに核の脅威を減ずるための努力を重ね、地球温暖化を食い止める。われわれの生きざまを謝罪はしないし、守ることにためらいもない。そして、テロや罪のない人々をあやめて目的を達しようとする者に断言しよう。今こそわれわれの精神はより堅固であり、打ち負かされることはない。われわれは勝利する。

 寄せ集めであるわれわれの伝統は弱さではなく、力であることを知っている。われわれはキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教ヒンズー教、そして無信仰の人々の国である。この地球の至る所から来たさまざまな言語や文化がわれわれを形づくっている。われわれは南北戦争や人種差別の苦渋を味わい、暗い歴史を超え強く立ち上がり、団結を強めた。だからこそ、過去の憎しみは乗り越えられると信ぜずにはいられない。民族間の隔たりは解消され世界が小さくなるにつれ、共通の人間性が現れると。そして、米国は新たな平和の時代への先導役を務めねばならない。

 イスラム世界に対しては、相互の利益と尊重に基づき前進する新たな道を希求する。争いの種をまき、自らの社会の災難への批判を西側社会に向ける指導者たちよ。諸兄が破壊するものではなく、築き上げるもので人々の審判が下るのだ。汚職と欺き、異議を抑圧することで権力にしがみつく者たちは、歴史の流れに外れていると知れ。ただ拳を下ろすなら、われわれは手を差し伸べよう。

 貧しき国々の人々には、田畑が豊かに実るよう、清潔な水があふれるよう、共に働くと誓おう。飢えた体に滋養を注ぎ、やせ細った心を癒やすために。そして、われわれと同様、豊かさに恵まれた国々には、これ以上の無関心は許されないと訴えたい。結果を顧みずに世界の資源を浪費することは許されない。世界は変わった。われわれも共に変わらなければならない。

 われわれの前に広がる道を考える時、今この時、はるか遠くの砂漠や山々をパトロールする勇敢な米国人を感謝の意を込めて思い起こす。時を超えてささやくアーリントンに眠る英雄たちのように、彼らはわれわれに語りかける。われわれは、彼らが自由の守り神というだけでなく、奉公の精神を体現しているからこそ、自分自身よりも大きな何かに積極的に意義を見いだそうとしているからこそ、敬意を表するのだ。これこそが今、そしてこの世代を定義付ける時、われわれすべてが宿すべき精神だ。

 政府はできることやしなければならないことをするが、結局、この国がよりどころとするのは、米国国民の信念と決意だ。堤防が決壊した時に見知らぬ人を受け入れる親切心。暗黒の時に友人が仕事を失うのを見るよりは、自らの労働時間を削る労働者の無私の精神。煙に包まれた階段を突進する消防士の勇気、子どもを育てる親の意志。これらこそが最終的にわれわれの運命を決定付けるのだ。

 われわれの試練は新しいものかもしれない。それに立ち向かう手段も新しいものになるだろう。しかし、われわれの成功は、勤勉、誠実さ、勇気、そしてフェアプレーにかかっている。昔から言われていることだが、その価値は本物だ。歴史を通じて静かなけん引力であり続けてきた。必要なのは、こうした真実に立ち返ることだ。いま求められているのは、新たな責任の時代だ。困難を乗り越えるために全力を尽くすことが最も精神を満たし、人格を鍛えるのだと信じるすべての米国人が、不承不承ではなく、むしろ喜びをもって進んで責務を果たすことだ。

 これが、われわれが市民であることの対価であり、市民が果たすべき約束なのだ。

 これが、われわれの自信の源だ。不確かな運命を生き抜くよう神が授けた知識なのだ。

 それが、われわれの自由と信念の意味である。あらゆる民族と信条の男女と子どもたちが、この壮大なナショナルモールに祝福のために集まった理由であり、また、60年足らず前には地元のレストランで給仕もしてもらえなかったであろう父を持つ1人の男が、最も聖なる誓いをするために皆さんの前に立つことができた理由なのだ。

 この日を胸に刻もう。われわれが何者であり、どれほど遠く旅してきたのかを。米国誕生の年、厳寒の中で、少数の愛国者の一団がいてつく川岸で消えそうなたき火のかたわらに寄り合った。首都は見捨てられ、敵は前進し、雪は血に染まった。独立革命の実現が不確かなときに、建国の父が次の言葉を人々に読むよう命じた。

 「希望と良識のみが生き残る酷寒の中、共通の敵にさらされた都市と地方は手を取り合ったと、将来、語られるようにしよう」

 米国よ。脅威に直面した苦難の冬において、時を超えるこの言葉を記憶にとどめよう。希望と良識を胸に抱き、いてつく流れに立ちはだかり、どんな嵐にも耐えてみせよう。子孫たちにこう言い伝えられるようにしよう。試練を与えられたとき、われわれは旅を途中で終えることを拒んだ。振り返ることも、くじけることもなかったのだと。そして地平線とわれわれにそそがれた神の慈悲を見据えながら、自由という偉大な贈り物を抱き、未来の世代に無事に届けたのだと。」(共同)