上の写真は4年連続1位のフィンランド
「世界幸福度ランキング」で気になる日本は何位?
国連が3月19日に発表した2021年版をみると、フィンランドが4年連続で1位だって。2位がデンマーク、3位がスイス、4位がアイスランド、5位オランダ。なんだ、北欧とスイスがトップ5か。
そして日本はというと、前年から4つ順位を上げたものの56位だそうだ。1980年代初めごろは「ジャパン・アズ・ナンバーワン」ともてはやされたのも今は昔。1980年代末の「バブル」は文字通り、はかないシャボン玉ホリディ(笑)。
あの頃は、印刷の仕事で印刷所に夜遅くまで出張校正に行くことも多かったが、印刷所から、タクシーチケットをもらっていた。3人いれば、ハイヤーを3台手配して、遠い人などは1時間半くらい送ってもらっていた。
企業の新製品発表会などにいくと、手土産をもらい、帰りの車も出してもらったりした。そんな時代だった。ランチで、毎日焼肉1,000円なんて言うのも普通だった。
それが、今の日本は。この20年間所得は変わっていないどころか減少しているという。
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「99.9%は幸せの素人」(KADOKAWA、前野隆司・慶應義塾大学教授との共著)を著した作家の星渉氏によると「世界と広がる幸福度格差には、コロナよりももっと別の要因が影響している」と指摘する──。
国連が世界各国の幸福度のランキングを示した「World Happiness Report 2021」では、日本は前年から4つ順位を上げたものの56位。首位は4年連続でフィンランドとなった。
報告書の著者の1人、ジョン・ヘリウェル氏が「驚くべきことに、各国の人が自分の生活について評価した結果、平均としては幸福度が低下していなかった」と述べている。
新型コロナウイルス感染症により、多くの人が日常生活にさまざまな制約を強いられてきた。そのため「幸福度は下がるのではないか」と広く予想された中で、これは意外な指摘であると受け止められた。
報告では、新型コロナウイルスが人々の幸福度に対し、思ったほど大きな影響を与えなかった理由として「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、全員に影響する共通の外的脅威だと大勢が見なし、それにより連帯感や仲間意識が高まったことが、理由の1つと考えられる」と指摘している。
新型コロナで連帯感、人々のつながりが向上した上位国という点で見ると、 4年連続首位となったフィンランドを分析してみるとよくわかるという。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、人口5500万人のフィンランドは新型コロナウイルス感染症による死者数は805人と、欧州諸国の大半の半分以下に抑え込むことができている(日本の死者数は8869人=3月22日現在)。 「World Happiness Report 2021」では、フィンランドは「パンデミックの最中、人命と生活を守るのに役立つ、他者との相互の信頼関係に関する複数の指標で非常に高い順位を示した」と指摘している。
ここから、新型コロナウイルスの幸福度への悪影響より、コロナ禍(か)で得た「他者との連帯感や仲間意識、つながり」のほうが、幸福度に大きなプラスの影響を与えたと理解できるというのだ。
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■2021年世界幸福度ランキングTOP10
1位 フィンランド
2位 デンマーク
3位 スイス
4位 アイスランド
5位 オランダ
6位 ノルウェー
7位 スウェーデン
8位 ルクセンブルク
9位 ニュージーランド
10位 オーストリア
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56位 日本
「World Happiness Report 2021」による世界幸福度ランキングは、主に次の6つの項目のアンケート調査を中心に選出されている。
日本は、フィリピン、ベトナムなどと同じくらいというのが驚き。
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1.人口あたりGDP
2.社会的支援(ソーシャルサポート、困ったときに頼ることができる人がいるか)
3.健康寿命
4.人生の選択の自由度
5.寛容(かんよう)さ(過去1カ月の間にチャリティーなど寄付をしたかなど)
6.腐敗の認識(不満、悲しみ、怒りの少なさ、社会、政府の腐敗が蔓延(まんえん)していないか)
■オキシトシンが分泌される3つのアクションプランというのがある。
良好な人間関係を作るべく、オキシトシンが分泌されるアクションプランだ。
①スキンシップ:
人と直接触れ合うことでオキシトシンが分泌されることがわかっている。もちろん、コロナ禍においてスキンシップには注意が必要だが、家族などとハグをしたり、マッサージをしたりすることはオキシトシンの分泌に効果的。ペットとのスキンシップでもオキシトシンが分泌されるので、ペットを飼うことも幸福度が高まるといえる。
②心が温まる映画を観る
人間の脳には「ミラーニューロン」という神経細胞がある。視覚から得た情報を体験するので、心温まる映画を観ることでオキシトシンが分泌されることがわかっている。
③1日5善をする(1日1善は効果がない) :
人に親切な行為をするとオキシトシンが分泌されることがわかっている。しかし、1日1回程度の親切では脳に記憶が残らず、幸福度に影響がないことがわかっている(米カリフォルニア大学の研究)。
1日1善よりも1週間に1回の1日5善が科学的に有効。
コロナ禍でも、日本の幸福度ランキングは、わずかだが上昇した。世界との幸福度格差では「自由度」と「寛容さ」に課題はあるものの、言い方を変えれば「それだけ伸(の)び代(しろ)がある」ともいえる。
私たち日本人一人ひとりが生きやすい社会をつくるために、自分の幸福度を高めるためのアクションから始める。それが最終的に、世界との幸福度格差を縮めることになるのではないか。
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そういった意味でも、Netflixで心温まる映画を見るのはいいようだ。のどを包丁で掻っ切るようなスプラッター・ホラーを見ている場合ではないのだ(笑)。一日5善か。さっそく午後にでも五膳(午前)なんていっている場合ではない。