↑上は「神様のくれた赤ん坊」
日本映画が、かつての勢いを”若干”取り戻しつつあるのは、うれしい限りです。
ベスト10などに選ぶ作品ではないです。大作ではないですが、ピリッとした「唸る」映画として、
印象に残る作品を紹介していいでしょうか(笑)。見てない人が、多いと思います・・・。
とりあえず3本です。
①「神様のくれた赤ん坊」(1979)
・・・桃井かおりといえば「もう頬づえはつかない」「ええじゃないか」が代表作でしょうが、
この「神様の~」は、すばらしい人情喜劇です。ロードムービーで、桃井かおりの主演作では
すばらしいです。押し付けられた赤ん坊の父親探しの旅にでる桃井かおりと渡瀬恒彦のコンビが
いいです。昔、小さい時にいたことがある場所をたどっていく時に発する桃井の表現する言葉が
「確かこのあたりにxxがあるはずで、その先は○○で・・・」などが、カメラはそのとおり
の場所を写していきますが、「あった、あった」という興奮が、見ている側にも伝わってくる
くらいに真に迫ります。DVDで見てください。
②「コミック雑誌なんかいらない」(1985)
・・・スキャンダル好きな社会と芸能レポーターの問答無用な突撃を皮肉っています。
実際の俳優などが、かなり実名で出てくるすごさ。
いまで言う突撃芸能レポーター(内田裕也)(梨本さんがモデルではないと思いますが=笑)
過激なレポートで視聴者には大人気。反面、芸能人からは、毛虫みたいに”嫌われ松子”。
視聴率を稼ぐためには、あらゆる過激なことも。世間で大騒ぎになった「豊田商事」事件関連や、
ロス疑惑「三浦和義」事件などは本人が登場するという異色作品。
レポーターが、三浦和義に向かってマイクを突き出して、
「あなたは潔白ですか!」と尋ねる場面
がすごい! 本人は、映画を使って、潔白を証明したかったのか(笑)。
この映画の主題歌「コミック雑誌なんかいらない」・・・は、
(俺には、コミック雑誌なんかいらない。俺の周りは漫画だから…。)
われわれは、漫画のような現実味の無い世界に生きているということを皮肉った歌でした。
郷ひろみが、本人で出てきたり、怖いビートたけしがでてきたりと、現実と虚構が入り乱れて、
ブラック・ユーモアが効いていました。
③「約束」(1972)
・・・斎藤耕一監督は、「旅の重さ」や「津軽じょんがら節」など充実した映画を撮っていました
が、そのころの作品です。
偶然若者(萩原健一)は、乗り合わせた列車内で、わけありの美人女性(岸恵子)と知り合います。
女性の手元は、上着で隠されていましたが、そこには手錠がかけられ・・・仮出獄中の女囚と若者
が列車で知り合い、愛し合うという”若者と年上の女性”という映画。それまで、グループサウンズ
のアイドルだった萩原健一(ショーケン)がベテラン女優・岸恵子を相手に存在感のある演技を見せ
ていました。岸恵子は、先日テレビにも出ていましたが、美貌は衰えていませんね。日本の大女優、
トップ10には、上位で入るでしょう。そのほかですか、田中絹代、吉永小百合、高峰秀子・・・。