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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

ドラマ「成りあがり者」(原題:A Man in Full、2024、全6話、Netflix)を見る。

成りあがり者」(原題:A Man in Full、2024、全6話)を見る。原作はトム・ウルフの1998年の同名小説「A Man in Full」。

アトランタで成功を収めた不動産業者のチャーリー・クロカーが突如破産してしまい、冷酷で粗暴なクロカーが自らの築いた帝国を守るためあらゆる手を尽くすという物語。5月2日からNetflixで配信開始。

主人公のクロカ―を「スピード」スティーブ・ジョブス」のジェフ・ダニエルズが演じる。共演は「アウトサイダー」「運命の女」のダイアン・レイン、「チャーリーズ・エンジェル」「キル・ビル」のルーシー・リュー、「ジョーカー」のビル・キャンプ、「ミッドサマー」のウィリアム・ジャクソン・ハーパー、「羊たちの沈黙」のアンソニー・ヒールド、「Mank/マンク」のトム・ペルフリーなど。

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恰幅のいい初老の男が横たわっている。
「君が死んだら人々は気づく?」「私が死んだら憎しみの記憶が残る。だが憎まれたとしても力強く生きる必要がある。それが人生だ。男ならば生きた証を残さねばならん」というナレーションが冒頭流れる。

10日前。「CROKER」の大きなネオン文字が高層ビルの上で光り輝く。きらびやかなビルの1階のガラスの壁面にはビジネス誌Forbes」やファッション誌「Atlanta」の表紙に先ほど倒れていた男の写真がある。

その人物の60回目の誕生パーティ会場が映し出され、ダンスを踊る人々の奥には有名と思われる歌手が祝福の歌を力強く歌う。

誕生パーティの主であるチャーリー・クロッカー(ジェフ・ダニエルズ)は出席者たちと会話を交わしていくが、参加者の中には「招待したか?」と問われた女性ジョイス・ニューマン(ルーシー・リュー)がいて「元奥さんに報告するために参加した」という。

 

ほかにも、何か思惑がありそうなレイモンド・ピープグラス(トム・ペルフリー)など複雑な心境の人物も見受けられた。

8億ドルの借り入れがある銀行の一室で、資産管理部部長のハリー・ゼイル(ビル・キャンプ)主導の会議が行われ、チャーリー・クロッカーが呼ばれていた。

ゼイルは開口一番。「ミスター・クロッカー。パーティは終わった!」と告げる。

チャーリーに対する融資の返済を求めるというのだった。チャーリーは、いずれ返すといいつつ、これまで銀行に富をもたらしたと主張するが、ゼイルは富を利子とともに戻すように働きかける。返済できなければ売却をと迫ってくるのだが…。

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成功を収めた不動産王というとトランプを連想するが、関係ないようだ。チャーリー・クロッカーは、融資を持ち掛けてきたのはレイモンド・ピープグラスだと主張するが、会議の趣旨にピープグラスは関係ないと突っぱねるゼイル。

銀行は天気のいい日に傘を貸し、雨の日には傘を取り上げるという「半沢直樹」の世界があったが、どこも同じらしい(笑)。

丁々発止の一触即発のやり取りに、その都度、両サイドの当事者の顔色を伺う行員たちの動きも面白い。ピンポンの球の動きに合わせて左右を交互に見るといった具合だ。

クロッカーは顧問弁護士ロジャー・ホワイト(アムル・アミーン)をハリー・ゼイルへの報復の責任者にして復讐を誓う。ロジャーも、内心ではクロッカーの強引さにはついていけないと思っている。

マーサ(ダイアン・レイン)とレイモンド(トム・ペルフリー)の激しい濡れ場があるが、ことの後、その場に侵入してきたチャーリーに対して、トムがそのイチモツを見せ自慢するとんでもなシーンがあり仰天する。

白人警官の黒人に対する差別意識には根深いものがあるようだ。刑務所内の囚人たちの事なかれ主義、暴力に対してみて見ぬふりなどが鋭く描かれている。

 

警官に暴力を振るったとして、裁判が行われ、テイラー判事(アンソニー・ヒールド)の結論が意外だったのには驚いた…。

<主な出演者>

ジェフ・ダニエルズ:チャーリー・クロッカー…アトランタで成功を収めた不動産業者。60歳の誕生会が盛大に開催されるが、突如危機を迎え破産する。若い妻セリーナがいる。
ダイアン・レイン:マーサ・クロッカー…チャーリーの元妻。確執、しこりが残っている。ジョイスとジムの仲間。レオモンドと関係を持つ。

トム・ペルフリー:レイモンド・ピープグラス…クロッカーに融資する銀行(PLANNERSBANK)の担当者。チャーリーからピーピーと呼ばれる。マーサに惹かれ関係を持つ。

アムル・アミーン:ロジャー・ホワイト…クローカーの弁護士。チャーリーから銀行に侮辱された腹いせにゼイルとピープグラスへの報復を指示される。

サラ・ジョーンズ:セリーナ・クロッカー…チャーリーの現在の若い妻。
ルーシー・リュージョイス・ニューマン…起業家でクリーンな美容製品ブランドで成功を収めたが友人関係やビジネス継続の危機に直面する。マーサとはジムを通じた友人。

ビル・キャンプ:ハリー・ゼイル…銀行の資産管理部部長。レイモンドの上司。

ウィリアム・ジャクソン・ハーパー:ウェス・ジョーダン…政治家。
シャンテ・アダムズ:ジル・ヘンズレイ…コンラッドの妻。
ジョン・マイケル・ヒルコンラッド・ヘンズレイ…正義感が強く、警官の横暴に正当防衛で警官を殴り服役。服役中に、ボス的な囚人の苛めを指摘したことから暴力を受ける。

アンソニー・ヒールドアトランタのテイラー判事。

 

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