「ロスト・ドーター」(原題:The Lost Daughter、2021)を見る(Netflixオリジナル)。
「クレイジー・ハート」「ダークナイト」などの女優マギー・ギレンホールが長編初監督を務め、ベネチア国際映画祭で最優秀脚本賞に輝いたドラマ。
エレナ・フェッランテの小説を原作に、ある母娘との出会いを機によみがえった若いころの記憶に苦悩する女性を描く。タイトルから連想される娘の消失、誘拐などとは関係なかった。
主演は「女王陛下のお気に入り」でオスカーに輝いたオリヴィア・コールマン。「ワイルド・ローズ」などのジェシー・バックリー、「サスペリア」「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」などのダコタ・ジョンソンのほか、エド・ハリス、ピーター・サースガードらが出演。
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海辺の町で一人気楽なバカンスを満喫するレダ・カルーソ(オリヴィア・コールマン)。ビーチでは、いくつか家族連れの姿があったが、ある若い母親・ニーナ(ダコタ・ジョンソン)と幼い娘の様子を見ているうちに、自身が子育てに悪戦苦闘していたころの記憶がフラッシュバックしてよみがえってきた。
当時の若かりし頃のレダ(ジェシー・バックリー)は子育てに行き詰まり、今にも頭がおかしくなりそうな育児ノイローゼになるなどの苦い記憶によって心をかき乱され、母親として自分が取った行動に向き合うことを余儀なくされる。
レダのフラッシュバックは、ニーナが時折見せる子育てによる疲弊感をみて怒りだしたりするのだった。そして、レダは休暇中毎日ニーナと子供の姿をみているうちに、少しずつ様子が変わり、時折狂気じみていくのだった。
現在のレダ
若き日のレダ
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映画の冒頭で、ひとりの女性が海辺で倒れるシーンから始まる。それがエンディングのシーンにつながるが、その結末は、予想とは違っていた。
主人公の女性の二つの時代が並行して描かれ、なぜ5歳と7歳のふたりの娘を残して置き去りにして家を出てしまったのか、何年かしてなぜ戻ることになったのかなどが淡々と描かれる。
ニーナの娘がいなくなり大騒ぎとなったり、その娘が大事にしていた人形が無くなったが、実はレダが隠し持っていたなど、やや理解に苦しむところがある。
映画館では、映画の上映中に前方で若者たちが騒いでいるのに苛立って、注意したり、映画館主にクレームに行ったりするなど、精神的にも情緒不安定のような状況が描かれる。
主人公の感情の起伏が激しく、常に不安にとらわれていることはわかるが、映画全体としてはエンタメ性は皆無で、ややわかりにくい映画だった。
第78回ヴェネツィア国際映画祭で、脚本賞(マギー・ギレンホール)を受賞。避暑地のアパートの管理人にエド・ハリスが扮している。
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