英国アカデミー賞(BAFTA)の第75回授賞式が行われ、「非英語作品賞」を濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が受賞した。濱口監督は監督賞と脚色賞にもノミネートされていたが、監督賞は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のジェーン・カンピオン監督、脚色賞は「コーダ あいのうた」のシアン・ヘダーが受賞した。
英国アカデミー賞では日本映画関係で、1980年代に「影武者」の黒沢明監督が監督賞を、同監督の「乱」が非英語映画賞(当時は外国語映画賞)を受賞している。授賞式で濱口監督は「自分たちの映画が国境や言葉(の壁)を越えて英国まで届いたことを光栄に思います」と語った。
アカデミー賞の行方を占う賞の1つとして注目を集めるBAFTA。「ドライブ・マイ・カー」はアカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門でノミネートされている。BAFTAの流れからアカデミー賞も「パワー・オブ・ザ・ドッグ」(POTD)が作品賞、「ドライブ・マイ・カー」(DMC)は国際長編映画賞というのが有力か。
■BAFTA主要部門の結果は以下の通り(★が受賞者・受賞作品)。
【作品賞】
★『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『ベルファスト』
『ドント・ルック・アップ』
『リコリス・ピザ』
【英国作品賞】
★『ベルファスト』
『アフター・ラヴ』
『Ali & Ava(原題)』
『Boiling Point(原題)』
『シラノ』
『Everybody’s Talking About Jamie(原題)』
『ハウス・オブ・グッチ』
『ラストナイト・イン・ソーホー』
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
『PASSING -白い黒人-』
【非英語作品賞】
★『ドライブ・マイ・カー』
『The Hand of God』
『Madres paralelas(原題)』
『Petite Maman(原題)』
『The Worst Person in the World(原題)』
【監督賞】
★ジェーン・カンピオン 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
アリーム・カーン 『アフター・ラヴ』
濱口竜介 『ドライブ・マイ・カー』
オドレイ・ディワン 『L'Événement(原題)』
ポール・トーマス・アンダーソン 『リコリス・ピザ』
ジュリア・デュクルノー 『TITANE/チタン』
【主演女優賞】
★ジョアンナ・スキャンラン『アフター・ラヴ』
レディー・ガガ 『ハウス・オブ・グッチ』
アラナ・ハイム 『リコリス・ピザ』
エミリア・ジョーンズ『コーダ あいのうた』
レナーテ・レインスヴェ『The Worst Person in the World(原題)』
テッサ・トンプソン 『PASSING -白い黒人-』
【主演男優賞】
★ウィル・スミス 『ドリームプラン』
レオナルド・ディカプリオ『ドント・ルック・アップ』
アディール・アクタル 『Ali & Ava(原題)』
マハーシャラ・アリ 『スワン・ソング』
ベネディクト・カンバーバッチ『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
スティーヴン・グレアム 『Boiling Point(原題)』
【助演女優賞】
★アリアナ・デボーズ『ウエスト・サイド・ストーリー』
ジェシー・バックリー 『ロスト・ドーター』
アン・ダウド 『マス』
アーンジャニュー・エリス 『ドリームプラン』
ルース・ネッガ 『PASSING -白い黒人-』
【助演男優賞】
★トロイ・コッツァー 『コーダ あいのうた』
マイク・フェイスト 『ウエスト・サイド・ストーリー』
ウディ・ノーマン 『カモン カモン』
ジェシー・プレモンス 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
コディ・スミット=マクフィー 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
【脚本賞】
★『リコリス・ピザ』 (ポール・トーマス・アンダーソン)
『愛すべき夫妻の秘密』 (アーロン・ソーキン)
『ドント・ルック・アップ』 (アダム・マッケイ)
『ドリームプラン』 (ザック・ベイリン)
【脚色賞】
★『コーダ あいのうた』(シアン・ヘダー)
『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介)
『DUNE/デューン 砂の惑星』(エリック・ロス、ジョン・スペイツ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ)
『ロスト・ドーター』(マギー・ギレンホール)
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(ジェーン・カンピオン)
【ライジング・スター賞】
★ラシャーナ・リンチ
アリアナ・デボーズ
ハリス・ディキンソン
ミリセント・シモンズ
コディ・スミット=マクフィー
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