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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「真実の行方」(原題:Primal Fear、1996)を見る。極めつけどんでん返し映画。

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真実の行方」(原題:Primal Fear、1996)を見る。原題は「根源的な恐怖」の意味で、映画のラストで襲いかかってきた恐るべき事実のこと。

「どんでん返し映画」のあるランキングで1位に押されていたので見たが、サイコパス男に振り回される後味の悪い映画として記憶に残りそう。

出演は、リチャード・ギアのほか、ローラ・リニーフランシス・マクドーマンド、新人のエドワード・ノートンなど。

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凶悪な殺人犯でも弁護士をつける権利があり、弁護士の引き受け手がない場合や、弁護士費用を捻出できない場合には国選弁護士をつけることができる。

ただ、この映画の中でも語られているが、国選弁護士は年収が40,000ドル(約450万円)レベルの弁護士で、検察の言うがままの結果になることが多いという。

そんな中、金儲けと名声のためならどんな裁判も引き受けるという弁護士マーティン・ベイルが現れる。

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このベイル弁護士を演じるのがリチャード・ギアで、エドワード・ノートン演じる容疑者アーロンに面談した時に、容疑者が費用のことを心配すると「無報酬で引き受けるから心配するな」というのだ。

ベイルは世間の注目を集めるこの事件でマスコミなどの話題をさらおという魂胆なのだった。これに対して、検察側の担当検事が、一時期、ベイル弁護士の下で働き、交際していたことがある元カノで、現在辣腕女性検事となっているジェーン(ローラ・リニー)だった。

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検察当局は、ジェーンに対して第一級殺人の罪でアーロンを起訴、死刑の判決を得るよう指示するが、内気で大人しそうな容疑者アーロンを裁判で死刑の有罪にすることができるのか…。

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(ストーリー)

大司教がナイフで殺され、現場から、血まみれになったアーロン(エドワード・ノートン)が立ち去るが、そのアーロンを追って警官たちが追いかけるシーンから始まる。

アーロンの犯行であることは動かしがたいように思われた。

しかし、アーロンには殺害犯行時の記憶がなく、物乞いをしていたところを大司教に拾われ聖歌隊員として住居と食べ物を与えられた恩があり、殺すはずなどないと無実を訴える。

マーティン弁護士(リチャード・ギア)はアーロンの喪失している記憶を探り出すため、精神分析医のモリーフランシス・マクドーマンド)に依頼する。

はじめは無実であろうがなかろうが、裁判に勝ちさえすればいいと思っていたマーティン弁護士だったが、アーロンが非常に内気でおとなしい性格であり、動機も見当たらないことから、次第に真犯人は別にいると信じるようになる。

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マーティン弁護士は、大司教が主宰する投資グループに州検事ショーネシー(ジョン・マホーニー)をはじめとする市の上層部が多数関与しており、大司教が貧民層に同情して土地の再開発事業を中止した為に殺された可能性を立証しようとするが、州検事は露骨な圧力をかける。

一方、アーロンの聖歌隊仲間の不審な動きを追ったマーティン弁護士は、大司教がアーロンら聖歌隊員を使ってポルノビデオを撮影するというスキャンダルをつかむ。

この性的虐待の復讐こそが大司教殺害の動機であると考えたマーティン弁護士に、真実を話すよう責められたアーロンは、気弱な態度から突如、攻撃的な性格に豹変、自らをロイと名乗り大司教を殺害したことを告白する。

アーロンは幼児期からの虐待による二重人格障害者であり、追いつめられるような出来事があるとロイが出現するのだ。

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ロイであるときの記憶は喪失し、アーロンは殺人を犯したことを自覚していなかったのである。しかし、既に無罪を主張している裁判で、心神喪失を理由とする答弁への変更はできず、マーティン弁護士は苦悩する。

結局、アーロンは裁判での本人尋問中にロイに豹変してジェーン検事に襲い掛かり、その人格交代の現場を目撃した裁判所は騒然となる。

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裁判は審理無効となり中止、心神喪失を根拠に無罪となり、アーロンの身柄は病院に送致されて精神鑑定の上、ひと月で釈放されることに決定した。

死刑台送りを免れたアーロンは、正義がなされたと安堵しているマーティン弁護士に、先ほどのジェーン検事への暴行に対するお詫びをことづける

ロイの人格であるときの出来事は何も覚えていないはずなのに、一体どういうことなのか。愕然とするマーティン弁護士にアーロンは真相を語り始める…。

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この映画は、最初から最後まで容疑者アーロンに振り回される内容だった。二重人格者が、”別の人格”に豹変するときのシーン、言葉遣いが衝撃だった。

エドワード・ノートンは、外見は一見大人しそうだが、裏の顔を見せた時のギャップが大きく、この映画がデビュー作にも関わらず、いきなりアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ(GG)賞助演男優賞を受賞したのも頷ける。

映画のラストは、弁護士が完全敗北に肩を落として落胆するが、見ている側も結末に打ちのめされる。映画の展開としては、どんでん返し映画の元祖的傑作「情婦」に似ていると言えるかも知れない。