「キングコング対ゴジラ」(1962)を見る(Netflix)。前作「ゴジラの逆襲」の続編となるゴジラシリーズの第3作。キングコングの権利を所有していたRKO社とのライセンス提携作品。日米を代表するモンスター同士の対決が話題となった。
日本での配給は東宝、アメリカではユニバーサル・インターナショナル。総天然色、東宝スコープ。上映時間は97分。東宝創立30周年記念作品。ゴジラシリーズとしては、観客動員が1位(推定1,250万人)という娯楽作品。
アメリカが生んだ怪獣キャラクターの元祖「キングコング」をゲストに迎え、ゴジラが7年ぶりに復活。破壊神「ゴジラ」と守護神「コング」の戦いは、どちらが強いのかの決着はついていなかった。
なお、公開が遅れている新作「ゴジラVSコング」が今年公開される予定で、果たして決着がつくのか。新作を前に旧作を見られてよかった。
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TV番組の視聴率アップのため、スポンサーのパシフィック製薬の多湖部長(有島一郎)の依頼で、桜井(高島忠夫)と藤田(佐原健二)は“巨大なる魔神”を追って南海のファロ島を訪れた。
その頃、北極海調査を行なっていた原潜シーホークは発光する奇怪な氷山と遭遇、その中からは休眠していたと思われるゴジラが現れた。
桜井たちは強力な麻酔作用のある木の実と原住民の協力を得て、“魔神”ことキングコングの捕獲に成功する。
しかし海上輸送の途中で目覚めたコングは単身で日本に上陸すると、同じく上陸していたゴジラに立ち向かっていった。
那須高原を舞台に始まるキングコング対ゴジラが対決。初戦は敗退したものの、キングコングは国会議事堂に出現。
女性をさらい雄たけびをあげるコングは、再び眠らされてゴジラの待つ富士山の裾野へと空輸される。かくして始まった「コング対ゴジラ」の第2ラウンド我始まる。激しい戦いはやがて熱海城へまで移動して繰り広げられることになった。果たして勝つのはどっちだ。コングか? ゴジラか・・・。
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南海の孤島の巨大なタコのぬるぬるしたなめらかな動きと存在感には圧倒された。これは本物のタコを使っての撮影。原住民たちの踊りも異国情緒を誘う。ゴジラとキングコングの二大モンスターの戦いの原型を見ることができる貴重な映画。
ゴジラが、美人女性を見つけ、手につかむという”お決まりの”構図は、時代を超えて登場する。また、ゴジラがシネスコ(シネマスコープ)カラーにはじめて登場した。電車やヘリコプターや戦車などはCGのない時代でアナログ的なミニチュア感があって、おもしろい。
浜美枝と若林映子が出演しているが、この映画のアメリカ版から「007は二度死ぬ」出演のオファーにつながったという。
DVDは2001年4月21日発売。ブルーレイディスク(BD)は2014年7月14日発売。本編はHDマスターと標準画質のアップコンバートマスターが混在した仕様。
「ゴジラVSコング」の公開を記念して「4Kデジタルリマスター完全版をビデオグラム化した4K UHDブルーレイとブルーレイディスク(BD)が2021年5月12日発売。