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映画「記者たち~衝撃と畏怖の真実~」(2017)を見る。米・イラク戦争の真相に迫る。

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記者たち 衝撃と畏怖の真実」(原題:Shock and Awe、2017)を見た。

スタンド・バイ・ミー」「恋人たちの予感」「ミザリー」のロブ・ライナー監督が製作・監督・出演を兼任した社会派ドラマ。

2002年、イラク戦争大義名分である“大量破壊兵器”の存在に疑問を持った4人のジャーナリストが、愛国心高まる世間の潮流のなか、真実を追い続ける実話を映画化。テレビ映像などの情報をつなぎ合わせて、中堅新聞社の葛藤を描いている。

出演者では、主演のウディ・ハレルソン(「スリー・ビルボード」で保安官を演じた)が印象的。同僚の役でトミー・リー・ジョーンズジェームズ・マースデンなどが共演。

【あらすじ】 2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、サダム・フセイン政権を倒壊させるため「大量破壊兵器の保持」を理由にイラク侵攻に踏み切ることを宣言。

ニューヨーク・タイムズワシントン・ポストといった大手新聞をはじめ、アメリカ中の記者たちが大統領の発言を信じて報道を続ける中、地方新聞社を傘下にもつナイト・リッダー社ワシントン支局の記者ジョナサン・ランデー(ウディ・ハレルソン)とウォーレン・ストロベル(ジェームズ・マースデン)は、大統領の発言に疑念を抱き、真実を報道するべく情報源をたどっていくが…。 

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これは事実の物語であるという字幕で始まる。当時の映像の模様も織り交ぜて、米国のイラク侵攻の失敗を糾弾している。「戦争は(アメリカにとって)ビジネスである」「政府のいいなりのマスコミでいいのか」。派遣された兵士の声「石器時代の国を爆破して何になる」「ベトナム戦争の悪夢の歴史は繰り返す」「イラクを黒幕にしたいのか」といった言葉が飛び交う。

映画は、イラク戦争で負傷し、車椅子で証言台に立つ若い兵士の陳述から始まる。用意した原稿で始めようとするが、自分の言葉で語りたいと原稿をしまい、いろいろな事象を数字をベースに語りだす。

エンディングでは、同じ若者がベトナム戦争で戦死したアメリカ兵(50,000人)が眠る「ベトナム戦没者慰霊墓地」で、多くの戦死者の名前を見つめるところで終わる。

字幕で、アメリカが戦争に費やした国防費2兆ドル(約210兆円)、アメリカ人死者36,000人、イラク人死者100万人、破壊された大量兵器「0」という文字がある。

ストーリー性に欠け、同様の映画「大統領の陰謀」や「スポットライト 世紀のスクープ」のような記者魂とダイナミックさでやや見劣りがする。

 

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