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映画「1917 命をかけた伝令」(2019)を見る。Dolby Cinemaで。

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映画「1917 命をかけた伝令」(2019)をMOVIXさいたまのドルビーシネマで見た。特別料金1,700円(映画デー、シニア料金+500円)。ドルビーで大正解。銃撃音、爆撃音、激流音など没入感に浸ることができる。第92回アカデミー賞では、撮影賞、視覚効果賞、録音賞の3冠を達成。英国アカデミー賞に続く作品賞にはならなかった。

サム・メンデスの祖父アルフレッドがイギリス軍で西部戦線の伝令を務めていたことから、その話を元にメンデスが製作・監督した。

サム・メンデスや製作陣は「製作の初期段階から、いかに切れ目のない映画に見せられるかを念頭におき、見た目でもカメラワークでも、切れ目がまったく判断できないように追求した」という全編ワンカット映画。

どこかに”カット割り”(つなぎ目)がないかと探したが見当たらなかった(笑)。あるシーンで、唯一、画面が真っ黒になるシーンが3秒以上続くが、必然性があるシーン。VFXの最新技術により、全く違和感がなく見られた。

物語は、ふたりの兵士が重大なメッセージ(最前線の指揮官に戦闘中止命令を告げる手紙)を伝達する任務を与えられて、地雷原を越え、塹壕(ざんごう)を突き抜け、戦地の混沌を突き抜けていく決死行だ。ふたりのうちの一人の兄が最前線にいるという事実もある。

最新のVFX(特殊効果)技術が生かされているシーンでは、戦闘機の納屋への墜落シーンは、ド迫力で迫ってきた。また、激流に流されるシーンや、破壊された橋を渡るシーン、スコフィールドが狭い塹壕の中や草原、廃墟の中を敵の弾を避けながら走るシーンなどもリアルだ。

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 (ストーリー)

1917年4月6日、ヨーロッパは第一次世界大戦の真っ只中にあった。その頃、西部戦線にいたドイツ軍は後退していた。しかし、その後退はアルベリッヒ作戦に基づく戦略的なもので、連合国をヒンデンブルグ線にまで誘引しようとしたのだった。 

イギリス軍はその事実を航空偵察によって把握。エリンモア将軍は2人の若い兵士(トムとウィル)を呼び出し、「このままでは進撃中のデヴォンシャー連隊が壊滅的な被害を受ける。しかし、彼らに情報を伝えるための電話線は切れてしまった。そこで、君たち2人は現地へ行って連隊に情報を伝えろ」と命じた。デヴォンシャー連隊には1,600名もの将兵が所属しており、その中にはトムの兄・ジョセフもいた。

トムとウィルは味方を救うため、決死の覚悟で無人地帯へと飛び込むのだった。

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主演のウィリアム・スコフィールド役のジョージ・マッケイとトム・ブレイク役のディーン=チャールズ・チャップマンは馴染みのない若手俳優だが、個性的な味わいがあった。手紙の届け先であるマッケンジー大佐をベネディクト・カンバーバッチが演じているが、出番は少ないが印象的だった。

スコフィールドが手紙を渡そうとするとマッケンジー大佐は見ようともせずに、戦いはまさに勝利目前と当初はまったく取り合わなかった。将軍からのメッセージで、とにかく読んで欲しいとスコフィールドが懇願すると、渋々ながら目を通し、その態度が一変し「中止」と決断するところが潔い。トムの兄のブレイク中尉にトムについて報告すると「最後に一緒にいてくれてありがとう」というシーンは胸に迫る。

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主な出演者:

ウィリアム・スコフィールド:ジョージ・マッケイ:若きイギリス兵。

トム・ブレイク:ディーン=チャールズ・チャップマン

スミス大尉:マーク・ストロング

レスリー中尉:アンドリュー・スコット

ジョセフ・ブレイク中尉:リチャード・マッデン

ラウリ:クレア・デバーク

エリンモア将軍:コリン・ファース

マッケンジー大佐:ベネディクト・カンバーバッチ

サンダース軍曹:ダニエル・メイズ

ヘプバーン少佐:エイドリアン・スカボロー

リチャーズ中尉:ジェイミー・パーカー

ハットン中尉:マイケル・ジプソン

コリンズ大佐:リチャード・マッケイブ

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「1917」は紛れもなく、映画史に残る作品となった。内容としては「兵士が走るだけ」のシンプルなストーリーの戦争映画だが、過去の名作「史上最大の作戦」「プライベート・ライアン」「シンドラーのリスト」などと同列くらいに並べたい。

 

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