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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「何者」(2016)就活をめぐる青春群像ドラマ。

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何者」(2016)を見た。原作は「桐島、部活やめるってよ」で注目を浴びた、直木賞作家・朝井リョウのベストセラー。就活で「内定」を勝ち取るまでの苦闘や人間関係を描く青春群像ドラマ。佐藤健菅田将暉岡田将生有村架純ら今が旬の若手実力派が多数共演。「桐島、部活」ほどのインパクトもなく、精彩に欠ける。

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演劇サークルで脚本を書いていた拓人(佐藤健)、拓人が思いを寄せる瑞月(有村架純)、瑞月の元カレの光太郎(菅田将暉)、瑞月の友達の理香(二階堂ふみ)、その同棲相手の隆良(岡田将生)。5人は就職活動の情報交換のため、理香の部屋に集まるようになる。力を合わせて就活を進めるが、内定は決まらず、お互いの就活へのスタンスや取り組み方の違いに嫌悪感を抱き、人間関係に歪みが生まれていく。

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人である光太郎の引退ライブをぼーっと見ていた。気がついたら横にいたのは、光太郎の元カノで、拓人のクラスメイトでもあった瑞月。そして、瑞月の留学時代の友人、理香と、その彼氏で同棲中の隆良。

ひょんなことから、この5人がつながり、理香の家を就活対策本部として共同で就活を頑張っていくことになる。

5人はそれぞれの思いや事情を胸に、就職活動は進んでいくが、やがて事態の進展とともに、5人の友情や人間関係も思わぬ方向に流れていく・・・。

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就活の5人が同じ部屋を「就活対策本部」と名づけて作戦を練ることにするが、みな仲がいいようで、実は意外と相手を辛辣に批判する。

ツイッターの裏アカウントを持つ拓人は、そこで勝手に批判していることを小早川理香に知られてしまう。理香は、拓人に対して「皆のことをバカにしてるでしょ。観察者ぶってもどこの会社も欲しいとは思わない」「自分の分析が最高と思っている」などとダイレクトだ。さらに「自分じゃない誰かになれる場所が欲しいのだろう」「ツイッターで自分の実況中継をしていないと立っていられない」。

神谷光太郎は、中堅出版社を目指すが、その理由はかつて想いを寄せた女性と出会うチャンスがあるという単純な理由。

就活の面接官による面接では、大量の学生と面談するため、「1分間で自分を表現してください」とその人物を知る手掛かりとしていた。1分間というのは、ツイッター140文字分という。ツイッターの他、ネットなどで、企業がブラックかどうかなども検索する。

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主な登場人物: 

■二宮拓人(にのみや たくと):佐藤健

主人公。社会学部。学生サークルで演劇の脚本を作っていたが、就職活動を機にやめる。観察能力が高いが、性格的に内定は取れないだろうと周りから言われる。

神谷光太郎(かみや こうたろう):菅田将暉

二宮の友人で、ルームシェアをしている大学生。社会学部。学生時代はバンド活動に注力。性格は明るく、コミュニケーション能力が高い。酒好き。

■田名部瑞月(たなべみづき):有村架純

二宮の片思いの相手で、小早川の友人。社会学部。光太郎に片思いしており、2度も振られている。米国でインターンシップを経験。5人の会話の中ではどちらかというと聞き役。

■小早川理香:二階堂ふみ

二宮・神谷の部屋の上の階に住む大学生。外国語学部国際教育学科。留学生交流会で田名部と知り合い、宮本とは付き合って三週間ながら同棲。米国留学を経験。就職活動に対する意識が高く、エントリーシート記入、模擬面接、OB訪問に余念がない。毎日のできごとをポジティブな言葉で脚色したツイートを慣習的に行う。

■宮本隆良(みやもと たかよし):岡田将生

二宮と神谷の上の部屋に住む大学生。小早川の彼氏。就職活動のありかたに批判的。「団体に属するメリットはない。個の時代」と言う。当初は就職活動をしないと言っていたが、のちに4人に隠れて就活するようになる。

■サワ先輩:山田孝之

二宮と親交のある先輩。大学院二年。「理工学部院二年」とあるが専門は不明。

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映画は賛否両論があったようで「何者」かになるために奮闘する就活生たちを描くが、それぞれのスタンスの違いや揺れ動く心理状況を描いている。全体的な画面がややすすけた色で、部屋も学生らしく、雑然としている雰囲気はあった。