「鬼滅の刃」の上映がまだまだ続いている。しかも、興行収入が400億円が確実になったという。先週末（4月11日）現在、累計で動員2869万人、興収396億円を突破し、今週末で「大台」の400億円突破が近づいている。
そんななか、「鬼滅の刃」の魅力がわからない人に対して「なんで？」と執拗に詰め寄るような行為を「『鬼滅の刃』ハラスメント」略して「キメハラ」と言うそうだ。「キメハラ」は一種のネタかもしれないが、世の中を見渡すと「○○ハラスメント」が増えている。
もともとは「セクハラ（セクシャル・ハラスメント）」から始まり「パワハラ（パワー・ハラスメント）」も社会問題にもなった。2020年6月にはパワハラ防止法も施行されている（正式には「労働施策総合推進法の改正法」）。
■主なハラスメント（参考：「パワハラ問題―アウトの基準から対策まで―」の著者、井口博弁護士）。（一部加筆、省略あり）
（1）ジェンダー・ハラスメント
「固定的な性別役割分担意識に基づくハラスメント」のこと。「男はこうだ女はこうだ」と決めつけるハラスメント。「女のクセに（生意気だ）」「男のクセに（根性がない）」など。「お前、それでも男か」（笑）。「女性をちゃん付けで呼ぶ」「（会社の中で）ウチの女の子」「おばさん」も。女性が男性に「僕ちゃん」「ジジイ」もNGとか（笑）。ブログでの「べべちゃん、猫ちゃん」などは、親しみを込めて許される（笑）。
（2）マタニティ・ハラスメント（マタハラ）とパタニティ・ハラスメント（バタハラ）
「マタハラ」は、職場での妊娠や出産に関するハラスメント。「パタハラ」は、バターをたっぷりのパンを食べるというのではなく、男性社員が育児休業などを申し出たり、取ったりしたことに対するハラスメント。親の介護などについて「ケア・ハラスメント」（ケアハラ）というのもあるという。
（3）SOGI（ソジ）ハラスメント（LGBTハラスメント）
「SOGI」は英語の性的指向・性自認の頭文字で、かつてはレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字を取った形でLGBTハラスメントといわれていたが、最近ではSOGIハラスメントといわれることが多い。他人が本人の同意なくSOGIを暴露する行為（アウティング）もハラスメントになる。
（4）カスタマー・ハラスメント（カスハラ）
カスハラとは、顧客や取引先からのハラスメントのこと。クレーマー・ハラスメントともいう。飲食店や販売店などの接客業などでは日常的に被害を受けているといえる。直接の言動ではなく、ネットでの誹謗中傷などの被害も起きている。顧客が、応対した従業員をネットで誹謗中傷するというもの。
（5）就活ハラスメント
主に学生の就職活動において、採用する側の会社の社員が、優位性（パワー）を背景にした言動によって学生に対して身体的・精神的苦痛を与えること。ここでもパワハラ、セクハラ両方が存在。面接時に「彼氏はいるか」とか「結婚、出産したときはやめるのか」などの質問をするのも就活セクハラ。
（6）アカデミック・ハラスメント（アカハラ）とスクール・ハラスメント（スクハラ）
「アカハラ」とは、大学などの教育研究機関で教員と学生間などの教育あるいは研究において優位な立場にある者によるハラスメント。「スクハラ」は、腹が空いたでなく、主に小学校、中学校、高校などの教員の児童や生徒に対するハラスメント。部活動などでスポーツ指導者による体罰など。
（7）ソーシャル・ハラスメント
SNSなどのソーシャル・メディアを使った誹謗中傷などのハラスメント。いわゆるネット中傷。
（8）レイシャル・ハラスメント（レイハラ）
「レイハラ」とは、人種、民族、国籍などを理由とするハラスメント。肌の色やルーツについての差別的な言動も含まれる。欧米はこの差別問題に敏感。日本にいる外国人などに対する無意識ハラスメントのケースが多く、外国人の文化や風習についての理解がないことに原因がある。
「モラハラ（モラル・ハラスメント）」は、主に言葉による精神的な暴力のこと。会社ではパワハラ、家庭内では夫婦間での乱暴な物言い、無視などが代表例。
「テクハラ（テクノロジー・ハラスメント）」は、てくてく歩くではなく、パソコンやスマホなどのITの知識のない相手に対してわざと使い方を教えなかったり嘲笑したりするハラスメント。パソコン音痴の人を馬鹿にしたり、罵倒したりするのが典型。アルハラ（アルコール・ハラスメント）は、飲酒の強要。キメハラも「何でもハラスメント」のひとつ。趣味の押しつけなど。「あいつ、鬼滅の良さがわからないんだってよ」など。ハラハラ（ハラスメント・ハラスメント）は、何でもかんでもハラスメントとすること。
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「ハラハラ」は、サスペンス映画の世界だけにしてほしい。（笑）。
