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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「コンプライアンス/服従の心理」(原題:Compliance, 2012)を見た。

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コンプライアンス/服従の心理」(原題:Compliance, 2012)を見た。企業コンプライアンスという言葉が、最近叫ばれており、タイトルに惹かれて見てみた。変質者が電話で警察官を装い、相手の電話口で盗難容疑の女性を裸にさせるというもので、オレオレ詐欺の変質狂版。いくら動転しているとは言え、そんなに簡単に騙される女店長や従業員たちは、能天気なのか。実話の映画化。劇場で見たらカネ返せ映画(笑)。

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ある日、ファーストフード店に警察官ダニエルズ(パット・ヒーリー)と名乗る男から女店長サンドラ(アン・ダウド)あてに電話がかかってきた。その男は店員の10代の若い女ベッキードリーマ・ウォーカー)が客の財布を盗んだ疑いがあるというのだ。

その男は自分がすぐにその店に駆けつけられないため、サンドラが代わりにその女性従業員を裸にして身体検査を行うように、と指示をする。

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サンドラは警察の指示であることから身体検査をはじめていくが、店の方が忙しいため、代理に別の男(女店長の婚約者)を見張らさせて、検査を続行する…というストーリー。映画の冒頭、これは実話に基づくとある。実際にあった「ストリップサーチいたずら詐欺事件」という事件を元につくられた映画。

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とにかく、いらいらさせる映画だった。冷静に考えれば、どう見ても嘘くさい電話なのだが、警察という権力で、それらしく話すと、思考停止してしまうのか、言われるままに何時間も待ったり、はたから見るとなぜ気づかないのかと思う。

この映画では、一種の洗脳とみられる「ミルグラム実験」という閉鎖空間で力のある者からの命令であればどんなに非人道的な事でも実行してしまうという実験を証明してしまうという話。

途中から、警察官を装った変質者が登場するが、ハンバーグを食べながら、電話口で得た情報をすべてメモして、いかにも警察官らしく、情報を小出しにして相手を追い詰めていく。

1時間30分の映画で、最後の3,4分になって、ようやく騙されていた事を悟るサンドラなど。番組取材に応じたサンドラは「警官と言われて従うしかなかった。誰でもそうするしかなかった」と弁解する。サンドラの婚約者は警官の指示とはいえ自責の念から結婚は白紙に。サンドラは、インタビュアの出身地などを聞き、このインタビュアに興味を持ったのか、世間話をして、微笑みかけるのだが…。

とにかく後味の悪い映画だった。

この映画の評価はどれも酷評だらけ。アメリカ人は皆アホか…など。だらだらと進行する脚本はイマイチだが、それなりに…だった。

アメリカでは、同様の事件が70件以上も起こったというテロップが流れる。

出演は、アン・ダウド(「クライシス・オブ・アメリカ」「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」)、パット・ヒーリー(「パール・ハーバー」「ゴーストワールド」)、ドリーマ・ウォーカー(「グラン・トリノ」でイーストウッドの孫娘役)など。