近年、住みたい街ランキングで、さいたま市の「大宮」「浦和」が上位に入ってきているが、遅れていた大宮駅東口周辺の開発がようやく始まった。
大宮駅の東口が再開発に本格的に取り組みを開始。プロジェクトとして「機能更新と充実」「地域の拠点整備」「人と緑のネットワーク創出」「新しい都市機能の創出」をテーマに開発が進む。令和3年(2021年)の商業施設の完成を目指す(下は完成予想図)。
大宮周辺は、40年以上前から再開発の話が出ていたが、西口はソニックシティなどができて整備が進んでいたが、タクシーが50台以上も待つ東口は、地元商店街などの反対もあったことに加えて、バブルの崩壊もあって開発が遅れていた。高島屋大宮店があるものの、飲食店での賑わい程度だった。
数十年もの間”取り残されていた”東口側は、開発がストップしていたがここにきて、再開発を象徴するような、大型商業施設の建設が始まったのだ。
大宮駅東口側はもともとは、2400年以上の歴史を持つと言われる古社・武蔵一宮氷川神社の門前街、中山道の宿場街(明治以降に中山道は現在の西口側に移動)であり、戦後も長らく埼玉県の商業の中心地として栄えた街。
2006年には最後の映画館が閉館し、百貨店、大型商業施設が次々に撤退。現在は精彩を欠いている大宮タカシマヤ(高島屋)が唯一残るだけ。2013年に東口駅前にあったロフトも西口のそごう内に移転した。
ようやく動き出した背景の1つは東日本大震災を機に耐震性や防災面から見たときの地域の不安。老朽化した建物が多いのだ。所有者は高齢化し、再開発に反対した人たちも代替わりを迎えていることなどがある。
大宮駅は「東の品川駅」として、今後は脚光を浴びそうだ。