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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「イソップの思うツボ」(英題:Aesop's Game、日本映画)見る。英語字幕付き。全国公開は8月16日。

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ウサギとカメの童話で名高いイソップの名前を映画タイトルに冠した「イソップの思うツボ」(英題:Aesop's Game)を8月16日の一般公開に先駆けて見た。英語の字幕付きの日本映画を見たのは久しぶり。今年16回を数える「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」のオープニング作品として上映された。
 
監督は、上映2館からスタートし全国拡大公開となって31億円の大ヒットとなった「カメラを止めるな!」(以下、「カメ止め」)のクリエイターの3人。完全にパートを分けるオムニバス映画では見られるが、作品を3人の共同監督で作るというのは珍しい。
3人は「カメ止め」の監督・上田慎一郎、その助監督でスピンオフ「ハリウッド大作戦」を監督した中泉裕矢、スチール担当の浅沼直也。いずれも30代の気鋭。
 
映画は、イソップの童話のウサギとカメ、とイヌに見立てた3人の若い女性が登場して、”奇想天外”な騙し合いを演じ、その3つの家族の正体が暴かれるという、スリリングで、ワクワク感がひしひしと湧いてくる映画。これまで”ネタバレ厳禁”というのが数え切れないほど登場したが、この映画はその中でも最たるものだろう。
 
いずれも20歳前後の3人のヒロインが登場するが、この家族が3人3様。実像が徐々にあぶりだされて暴かれたときに、驚くべき結末が訪れる。
 
「カメ止め」が大ヒットしたので、2匹目のドジョウ狙いの感は否めないが、期待以上に面白いということになれば、この9月頃は「イソップ映画」が、あの”快感”再びとなっているはずだ。
 
とにかく伏線のオンパレード。
その意味ではどんでん返し映画として名高い「アフタースクール」にも似ている。
一方で、この映画が、復讐劇としてみると、あのタランティーノの「キル・ビル」を彷彿とさせる。
 
さらに、金持ちの娯楽の一つに、他人の不幸を見世物として見る喜びというのがある。それは、マラソン・ダンスで苦しむ若者を見て喜ぶ特権階級を描いた「ひとりぼっちの青春」や、象に踏みつけられ顔が変形した異型人を見世物として見る「エレファントマ」の観客たちや、仮面をつけて禁断の世界に足を踏み入れる「アイズ・ワイド・シャット」などにも通じる。この意味ありげな”仮面をつけて”という言葉を、8月に映画を見たときにおぼえているかどうか(忘れるでしょう)。
 
出演の3家族のそれぞれの娘役3人が、ヒロインでありこの映画の要。
■家族A:”家族”の中はいいのだが、友達といえばカメだけという、田美羽(石川瑠華)。母(渡辺真起子)は、女子大生から恋愛をとったら何が残るのかと、ボーイフレンドはいるのかと探るのだが・・・。
■家族B:テレビにもよく出る”人気タレント家族”の娘で、恋愛体質の女子大生、華沙織(井桁弘恵)。”あること”を勘違いしてしまう、そそっかしさが抱腹絶倒。
■家族B:こんな職業があるのかという”復讐代行屋”の父娘の娘で、その日暮らしを送る井小柚(紅甘:ぐあま、と読み本名)。カンフー、蹴りが得意。相手の男の股間に蹴りを入れる(あれは痛いだろう。笑)。
 
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誘拐あり、裏切りあり、復讐あり、化けの皮がはがされるなどが次から次に起こり、面食らうが、果たしてその着地点は・・・という展開が待っている。