韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」(2011、日本公開2012)を見た。
韓国で740万人動員の大ヒットを記録。日本では、大根仁監督、豪華キャストにより日本で「SUNNY 強い気持ち・強い愛」(2018)としてリメイクされた。
シム・ウンギョンは、この5月には舞台「良い子はみんなご褒美がもらえる」(堤真一、橋本良亮らが出演)に出演するなど、日本語での芝居にも挑戦している。現在25歳だが韓国では人気女優の一人のようだ。
「サニー 永遠の仲間たち」では現在と25年前の高校時代と2つの時代が描かれる。”サニー”と名付けられた仲良しグループ7人のチュナが余命2ヶ月となり、昔の仲間と会いたいということで、メンバー探しがあり、あわせて高校時代の懐かしい思い出が描かれる。
・・・
結婚して、家族とともに幸せな生活を送っているイム・ナミは、ある日母の入院している病院で偶然、25年前の高校時代の友人ハ・チュナと再会した。ナミとチュナは高校時代の仲良しグループ「サニー」の仲間。
しかし、ナミはチュナが余命2ヶ月のがんであること、「サニー」の仲間たちと再会したがっていることを知る。ナミたちのグループ「サニー」のメンバー7人は、25年前のとある出来事で離れ離れになっていた。
ナミは、余命幾ばくもないチュナのために「サニー」のメンバーを探しに行く。
そのうちに、輝いていた高校時代の想い出が蘇り・・・。
主な出演者:
■イム・ナミ/ユ・ホジョン&シム・ウンギョン
高校時代のナミ(シム・ウンギョン)は、地方からソウルの高校に転校してくる。
なんとなくおどおどしたような、挙動不審のその冴えない姿からクラスメイトに目をつけられることに。しかし、「サニー」のリーダー的存在であるチュナにグループに招かれ、メンバーとなった。 現在のナミ(ユ・ホジョン)は、良妻賢母として暮らしており、用事があってたまたま立ち寄った病院でチュナと再会。
チュナの願いを叶えるために奔走する。 シム・ウンギョンは子役として、「ファン・ジニ」(2006)や「太王四神記」(2007)に出演。最近では「怪しい彼女」(2014)などに出演。若手の有望株。ユ・ホジョンはソウル文化大学映画学科で教授も勤めている。
■ハ・チュナ/チン・ヒギョン&カン・ソラ
高校時代のチュナ(カン・ソラ)は、「サニー」のリーダーで義理堅い性格。
クラスメイトのサンミにいやがらせを受けていたナミを「サニー」に誘ったのがチュナだった。現在のチュナ(チン・ヒギョン)は、肺がんで余命2ヶ月。そのため「サニー」の仲間たちに会いたいと言う。 カン・ソラはドラマ「ミセン―未生―」(2014)などで活躍する女優。チン・ヒギョンはモデルもこなす女優。
■キム・チャンミ/コ・スヒ&キム・ミニョン
高校時代のチャンミ(キム・ミニョン)の家庭は裕福で、家も「サニー」の仲間たちの集まる場として使われていた。 現在のチャンミ(コ・スヒ)は、保険会社に勤務。業績が悪く、夫も事業に失敗し、暮らし向きはあまり良くないよう。キム・ミニョンは多くのドラマに出演。コ・スヒは包容力のある体型が特徴。
■ファン・ジニ/ホン・ジニ&パク・チンジュ
高校時代のジニ(パク・チンジュ)は、国文学者を父に持ち、幼い頃の夢が悪口辞典を編纂することで、よく悪口を言う少女だった。 現在のジニ(ホン・ジニ)は、教養ある奥様として生活し。しかし、夫には浮気をされてしまい...。 パク・チンジュは本作で映画デビュー。ホン・ジニはドラマ「商道」(2001)などで知られる。
■ソ・クムオク/イ・ヨンギョン&ナム・ボラ
高校時代のクムオク(ナム・ボラ)は、歯科医の娘。朗らかな性格で「サニー」のムードメイカー的存在。 しかし、現在のクムオク(イ・ヨンギョン)は、再開発地区の小さなアパートで暮らしている。 ナム・ボラは「太陽を抱く月」(2012)などで知られる。イ・ヨンギョンは元歌手の女優。
■リュ・ポッキ/キム・ソンギョン&キム・ボミ
高校時代のポッキ(キム・ボミ)はミスコリアに憧れる少女。しかし、夢をあきらめ、学校も中退。現在のポッキ(キム・ソンギョン)は、夢やぶれたのち、酒場で働いている。アルコール依存症で情緒不安定。 キム・ボミは「九家の書」(2013)などに出演、キム・ソンギョンは「太王四神記」(2007)などに出演。
■チョン・スジ/ユン・ジョン&ミン・ヒョリン
高校時代のスジ(ミン・ヒョリン)は口数も笑顔も少ない「サニー」いちの美人だが、どこか影のある少女。現在のスジ(ユン・ジョン)は、劇中の最後に少しだけ出演。生前のチュナには会えなかった。ミン・ヒョリンは、BIGBANGのSOLのソロ楽曲のミュージックビデオに出演したことが縁で、2018年には彼と結婚。 ユン・ジョンは本作に特別出演。ユン・ジョンは主にCMモデルとして活躍。監督のカン・ヒョンチョルが、映画の最後のワンカットを飾るには華やかな彼女が必要だとキャスティングしたという。
■イ・サンミ/チョン・ウヒ
サンミはナミが転校してくる前は、「サニー」のメンバーと仲が良かったが、シンナーを吸っていることを「サニー」のメンバーに知られ、絶交状態に。さらに、サンミは「サニー」のメンバーの仲を引き裂いてしまうことに・・・。チョン・ウヒは映画の代表作は「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」(2014)など。
・・・
1980年代の韓国は、もろもろ規制があったようだが、1988年のオリンピックを控えて音楽、外国映画の規制等が緩和されていった時期。重い空気感のあった時代を暗く描いてしまうと観客もうんざりするというので、登場人物たちの喜怒哀楽をはっきりさせて、感情移入しやすいようにしたようだ。深刻に描きすぎず、コメディタッチなところがいい。
片方の女のひとりが相手に言いたいことを言うと、それに対して相手は「このオカメ女のお口が、自由奔放だねえ」というと「自由化の時代だ。間抜け。天然記念物級のブス」と返すのだ。
80年代の「タイムアフタータイム」などの曲や、LPレコード、ラジカセなどが懐かしい。
ソウルという都会と田舎の格差などもそれとなく描かれている。
ナミ(シム・ウンギョン)が、両親に「都会のソウルでは、ナイキを履いている」というシーンなど。田舎の言葉は訛っていて「~だべ」(字幕)。ダサい転校生のナミだが、転校前の高校では最優秀の成績だった。
日本リメイク版「SUNNY 強い気持ち・強い愛」は2018年8月31日に公開された。こちらも機会があれば見てみたい。